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@note_1581
悲しみなら忘れられるけど 愛はなかなか消えやしないよ 2025.03.05〜
  • 2026年7月8日
    あなたのモヤモヤに効く世界文学
    読みたかったやつやっと読めた~!もともとはwebちくまで連載されていたものを1冊にまとめたものなのだけど、連載当時から読んでいたので……。著者は堀越英美さん。 『女の子は本当にピンクが好きなのか』や『不道徳お母さん講座』の著書であり、『自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界』や『「女の痛み」はなぜ無視されるのか?』を訳した人でもある。 読みつがれる世界文学作品とは、時代が変わっても人間が持つ悩みや苦しみの普遍的なことを書いているからではないか?と架空の悩みを設定し、それに世界文学作品でもって答えていくという本。 世界文学を読み解く一助にしてもいいし、ブックガイドとしても有効なとてもおもしろい1冊だった。 何より、堀越さんの悩み設定が絶妙なのである。 推しの結婚相手が「匂わせ女」でつらい →『ジェイン・エア』 主婦は自分より家庭を優先すべき? →『春にして君を離れ』 仕事を休みたいが職場に迷惑をかけられない →『変身』 なんでもハラスメント扱いの現代にうんざり →『恥辱』 老親がネット動画の影響で差別発言する →『ドン・キホーテ』 妻が子どもを生みたがらない →『フランケンシュタイン』 ネットでの誹謗中傷がやめられない →『ジキルとハイド』 自分の人生が無意味に思える →『タイタンの妖女』 悩みの設定から、そこに対しての回答がなぜそれを!?と思わせてくるのだけど、読んでみるとたしかに…!と納得し、また紹介されている本が読みたくなる。世界の名作とか読んでみたいけど、どれを読めばいいかわかんないしなー!という人もいい。楽しい1冊だった。私は本について書かれた本が好き!
  • 2026年6月21日
    まぐだら屋のマリア
    NHKでドラマになっており、素敵な内容だったので原作も読んだ。 や~~~~、ドラマも素敵だけど原作もすごくよかった。 なんというか私は遠くに連れていってくれる小説が好きで、読み始めたところから読み終えて、遠くまできたなあ…と思えるような作品が好みなのだが、これはまさにそれだった。 ”ここに帰ってきたい”と思える場所がある幸福とか、その得難さ、血の繋がりが家族ではないことや、あたたかな連帯、そういったものがゆっくりと互いに影響していて、自分の生活や人生に後ろめたさとか悔いていることがある人はいて、場合によっては大きなことだったり取り返しがつかないものだったりすることもある。 有り体に言えば、傷の舐め合いなのだろうけど、だからなんだという話だ。逃げたくても逃げ場所がなくて途方にくれている人たちが、行き着いた場所でたまたま出会って、自分の罪責を抱えながら、それを抱え続ける苦しさをだましだまし和らげながら生きて、何が悪いというのだろう。それが人間が生きることではないのか、というメッセージが含まれているように思う
  • 2026年6月20日
    福音派ー終末論に引き裂かれるアメリカ社会
    トランプがあれほど熱狂的に支持される理由がずっとわからなかった。その背景にキリスト教福音派の存在があると知ってから、両者の関係性が気になり本書を手に取った。 読んでみての率直な感想は、"白人としての権力"を手放したくない人々が根強く存在し、自分たちの生活や経済的な閉塞感の原因を白人以外に求めているということだ。そこに都合のよい物語性を与え、"信仰"として堂々と掲げられるものとして機能しているのが"福音派"なのではないかと思った。 宗教と社会の関係という観点で特に印象的だったのは、人工妊娠中絶や同性愛をはじめとする性的マイノリティへの拒否感についての記述だ。それらは福音派の教義的な問題というよりも、人種差別が公には許されなくなった時代に、権力者たちが支持者へのアピールとして掲げるようになった代替的な"脅威"だという。正直、呆れるほかなかった。 さらに厄介なのは、福音派が妥協点を見出そうとしないことだ。終末論的な世界観のなかで対立する相手をサタンや悪魔の手先とみなす傾向があり、話し合いを通じて折り合いをつけるというアプローチ自体が成立しにくい。政治的なイシューはただただ議論を重ね、妥協点を見つけながら都度改善していくほかないはずなのに、彼らの信仰する物語のなかでは相手が簡単に非人間化されてしまう。どう対話すればいいのか、正直途方に暮れる。 宗教は本来、人の救いや共同体の絆のためにあるはずだ。しかしその"信仰"が差別や排除の隠れ蓑として機能し、対話の回路さえも閉ざしてしまうとすれば、それはもはや宗教の問題ではなく、民主主義の問題だと感じた。日本にいる私にとっても、無関係とは言いきれない。
  • 2026年6月20日
    俺はこのままひとりぼっちで、いつかおかしくなってしまうんだろうか
    好みの作家さんと出会ったとき、この幸福に転がりまわりたくなってしまう。 中身がまずもってすごいよかった。中年男性の仕事もうまくいかず、恋愛経験もほとんどなく、結婚も見えてこなくて不安と孤独に身をすくませる。ずっとこういう中年男性の話が読みたいと思っていた。 こういう人を恋愛や結婚の存在がさも当たり前のような社会の空気に飲まれているだけだとか、自分で自分を満たせるようにとかいうアドバイスは正しい。実際そうだし。でもやさしくない。 だからここに向き合う作品を欲していた。 ごまかしてきたことや。見過ごしてきたことはいつか腹を据えて向き合わなければならないときがくる。それは自発的にそうできるときもあれば、否応なしに肩をぐいっと掴まれて身体の向きを変えられるようなときもある。 登場人物のその瞬間が拙くて美しくて読んでいて泣きそうになった。 みんながそれぞれダメなところも素敵なところもあって、読み終わったら登場人物たちがすごく愛おしくなってしまった。こういう小説書かれたら、好きになっちゃうよ~!そしてまたもや『女による女のためのR-18文学賞』出身作家であった……。
  • 2026年6月20日
    転落男性論
    私が男性学に興味を持つきっかけとなった『「非モテ」からはじめる男性学』(集英社新書)の著者である西井さん開さんの新刊『転落男性論-孤立、暴力、ホモソーシャル』である。 男性が男性自身を苦しめ、またそれにより女性や性的マイノリティが人権を侵害される原因として男性による“男らしさへのこだわり”というものがある。「男性の生きづらさは社会的に称揚される『男らしさ』へのこだわり―精神的に自立し、十分に稼ぎ、多くの女性と恋愛をし、結婚をして家族を養っていくこと―に起因する」、これを本書で西井さんは“達成モデル”と称した。 この“達成モデル”について私は納得する部分がありながらも、はたしてそれだけだろうかという疑問をうっすらと抱いていた。 イメージされるマッチョな男としての達成や成功、それらを求めている男性ばかりではないだろうとも思っていたし、女性にも様々な人がいるように男性にも様々な人がいるというのは当然のことだからだ。 本書の画期的なところは男性は“達成したい”ばかりではないということを示したことだ。本書内でも示しているが、近年の調査においても男らしくなりたいとは思っていない男性が存在し、または増加もしている。にもかかわらず、男性たちの自殺率は高止まりしており、過労によってメンタルヘルスの不調にいたる男性は数多い。 この事実は“達成モデル”だけでは男性たちの葛藤、男性たちを縛るものを捉えそこねているのではないか、という考えが本書のスタートである。 序章から第1部、第2部ではおもに男性は“達成”だけではなく、むしろ“転落”を恐れているのではないかという指摘と、その“転落”とはいったいどういうものかが西井さんの開催している「非モテ研究会」のメンバーによる個人の経験による語りでもって説明された。 社会から構築された「普通の男性」というイメージがあり、そこから“転落する”ことが何よりの恐怖や不安を与え、そうならないために、自分を苦しめる。この“転落”も男性個々人の生育や環境によってまるで違うもので、単一的なイメージをするのではなく、あくまでそこに存在する構造や社会を考察していく必要がある。 また“転落”を恐れる男性に「男らしさから降りる」というメッセージは崖まで追い詰められている者に落ちることをすすめるのと同じようなもので、この提言は意味をなさない。なぜなら“転落するか、しないか”のギリギリのところまで追い詰められているからだ。 私はこの一連の指摘と説明がすごく腑に落ちた。いわゆる「普通の男性」から“転落”してしまう。その恐怖はきっと私が想像するよりも何倍も切迫したものだろうし、コミュニティが限定されていればいるほどその恐怖や葛藤は大きいだろうと思う。 「有害な男性性」や「男らしさから降りる」という言説はたしかに必要なものであり、間違いではない。それらに固執するがあまり、女性や性的マイノリティの尊厳を踏みにじる振る舞いは枚挙に暇がない。 しかしながらそうではない、少なくとも、本人や他者がそう認識していない男性までもがここまで苦しそうなのは、性差別や偏見を指摘されたときに恐慌状態に陥り、加害にまで転じてしまうのはなぜか考えていた。 そこに正当性や正常性からの“転落の恐怖”があることは私にとって新しい事実だった。 フェミニズムの本もそれなりに読んできたなかで、やはりこの世を構成する属性のひとつとして男性もこの苦しさから逃れることができなければ、真のフェミニズムを達成するのは難しいと考えるようになった。 そこからフェミニズムと男性学を両輪のものとしていかないと、いつまでも私たちへの侵害はなくならない。 「有害な男性性」や「男らしさから降りる」では排除されていた男性たちにも、"転落の恐怖"は確かに存在する。女として生きていると、男性優位社会やそれを変えようとしない人たちへの憤りがどうしても募る。本書はその憤りをより遠くへ届く力に変えてくれる。その苦しさを視野に入れながらフェミニズムと男性学を両輪として持ち続けること。それが今の私にできる誠実な問いの持ち方だと、本書を読んで改めて思った。
  • 2026年6月20日
    悪口ってなんだろう
    私は悪口のたぐいが嫌いなのですが、なんで嫌いなのか、そもそも悪口ってなに?批判とかとどう違うんだ?に興味があり、たまたまPodcastで話が出てきて手に取った。 悪口は相手のランクを下げる、つまり相手を低い場所に落とすことによりその相手が他者から侮られることを誘引するということだった。だから悪口はよろしくない。 しかし、その悪口が有効になる場面がある。それは相手と自分に圧倒的な権力差があり、相手がいかに不当なふるまいをしているかをコミュニティで共有するための悪口は有効であり、するべきであるらしい。 そう考えると私はここのところずっと高市政権の悪口を言いまくっていることになるが、権力者に対する悪口というのは互いに虐げられている側が連帯しやすくなったり、異議申し立てにつながる役割を果たしている。 私は悪口のたぐいは嫌いだ。たまたま自分の機嫌が悪くて相手の言うことややることが気に食わないことなどもあるからである。しかしながら、この不安定な社会情勢については不安定にさせている対象に対しての悪口を言いまくっていきたい
  • 2026年6月20日
    勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版
    フォロワーさんとの読書会で課題本になっていた 勉強をするとノリが悪くなる、今まで見えていたものや考えもしなかったことを考えるようになり、それがノリの悪さにつながっていくというものだった。 これについてはたしかに実感があった。偏見や差別的なことはそれが発生する下地や背景、構造を知ってしまうとそれにはノれなくなる。ネットミームなんかはかなりそういう割合が高く、もともとが差別的な意味合いから出発していることが多いために、もはや最初から使わないほうがいいのではないかとすら思う。 ただこうしたノリの悪さを手に入れるということはあらたな自分になることでもあると著者は述べている。 たしかにノリが悪くなり、大きな波やその場の盛り上がりには合わせられないかもしれないけれど、私はノリが悪くなった自分が嫌いではない
  • 2026年6月20日
    火花 (文春文庫)
    気になっていたし、フォロワーさんからおすすめされたことがきっかけでとうとう読んだ いや、おもしろいな……。なんというか又吉直樹版の「駈込み訴え」とでも言おうか 個人的には信仰の話だと思ってて、徳永→神谷の神格化がすさまじくてちょっと引いた 自分の信仰対象が、どうやらこの世の流れとはだいぶ離れた位置あったときの屈託やその対象が自分の人生に食い込んで癒着して剥がれないこと その人がどうあっても擁護できない過ちを犯してしまったときの狭間で揺れる姿が痛々しくてたまらなかった。私はこういう話が大好きなので…… なんというか人生ってこういうことがあるんだよな。自分の心がときめくものが裁かれることも、それで気持ちが散り散りになることも これ、どっかの誰かが徳永と神谷で二次創作やってそう
  • 2026年6月6日
    そいつはほんとに敵なのか
    話題になっていたエッセイ本。自分と主義主張が違う人と言葉を交わすには”正しく喧嘩”するにはどうしたらいいのだろう、最近私がずっと考えていたことだった 他者との関係や距離感をどう捉えていけばいいのか、相手の重さと自分の重さが釣り合わないこともあるし、コミュニケーションのコードが違うこともある 思いは同じなのにコミュニケーションの相性がよくないとか、逆に思いがまったく違うけどコミュニケーションの相性がよくて、意見を交わしあうことができるとか。 文字情報でしかしらない相手のことを、自分と違うというだけで敵認定していないか、敵認定することで取りこぼしているものはないか。被害者意識を暴走させて、懲罰的なふるまいをしていないか。 自己点検と自己分析を徹底的にしていくエッセイ本だった。また後半のほうに参政党支持者と対話した様子が収録されていて、私は参政党を支持していないが、なるほどこういう観点で参政党を指示しているのかと、同意はできないがその人の言い分の論理は理解したし、これは脳みそのひだに電気が走ったようで心地良い痛みだった こういう対話がもっとなされればいいのに、と思う
  • 2026年6月1日
    日の名残り
    日の名残り
    読みました。カズオ・イシグロの『日の名残り』 いやー、おもしろすぎる。さすがノーベル文学賞受賞。そしてめっっっちゃ日本人っぽい。カズオ・イシグロはほぼイギリスで生活してきた人なので、軽率に日本の作家扱いはできないのだと思うけれども。 主人公であり、長年あるイギリス貴族に仕えていた執事(作中の時間ではアメリカ人に仕えている)のスティーブンスの一人称回想録形式で書かれている。 スティーブンスは淡々と過去のことを回想しているが、語り手自身が自分の感情や過去を無意識に歪めて語っており、読み進めていくうちにその歪みに気づく、というものなのだが、なかなかに恐怖体験だった。 スティーブンスの執事としての信念が語られていくのだが、それは徹底的に主人に尽くすことであり、徹底的に自我を持たないということでもある。 読んでいくとスティーブンスの自我の希薄さがよりわかる場面があるのだが、全然話が噛み合っておらず読んでいてゾッとした。 何かを強く信仰し、その信仰対象がすべてよきにはからってくれる、だから自分はそれを信じて遂行することが一番で自分の意思や欲望などはふさわしくない、そういうスタンスが非常に日本人の労働観や政治観に通じるものがあり、いまのタイミングで読んでいてずっしりと沈み込むようであった。 それはそれとして私はイギリスの貴族や田舎や自然の描写がかなり好きなので、そういうのをたっぷりと摂取できたという意味ではお気に入りの1冊になった。 ちょうどNHK BSでアンソニー・ホプキンス主演で実写化した映画が放送されていたため、それも合わせて見たので脳内での映像が再現しやすかった。
  • 2026年5月24日
    男はクズと言ったら性差別になるのか
    男はクズと言ったら性差別になるのか
    前々から気になってはいたんだが、フォロワーさんが読んでいるのを見てついに手に取った。 タイトルはかなりインパクトがある。「男はクズ」という言葉は数年前にSNSで大きな反響を呼んだ。インフルエンサーの女性がセクハラ批判でSNSに書き込んだ。 当然ながらこの投稿には男性(おもにミソジニーを持つ)たちからヘイトスピーチだと批判された。 しかしそれはヘイトスピーチなのか。社会の権力勾配や男性優位社会の状況をふまえながらヘイトスピーチたりえないと訴える。 ”男らしくない”というフィードバックを受けた男性は戦争や男性の優位性やホモフォビアに対する支持が強くなった、という実験結果の話で別の書籍の『マチズモの人類史』では産業革命により男らしさを維持できない環境になってきているという話があったことを思い出した。いま色んな国で、若い男性層の一部には、急激なジェンダー平等の推進によって「自分たちの機会が奪われている(逆差別)」と感じる層が生まれ、「保守・右派(あるいはポピュリズム)」への支持が広がる傾向がみられる、ということとつながるのではないかと思った。男らしさを維持することが難しくなってきている、自分は男らしくあることができない。そういう意識と男性性優位な社会への支持が接続してしまうのではないのかと考えた。 また驚いたことはアフリカ系への人種差別でサッカーのスタジアムではサポーターからの人種差別的なコールなどがなくなったから、という理由でコロナ禍でのアフリカ系の選手のパフォーマンスが向上したというところだった。そこまでひどいのか、と愕然とした。なんというかひいきのチームを応援するにあたって、人種差別を野次に使うのは全然サッカー関係ないじゃんとか思ってしまったんだが。そういうことも通じないということだろう。 この本には性差別のほかにも人種差別、ポリティカル・コレクトネス、犬笛が飛び交うことの問題、ブラック・ライヴズ・マターに対するオール・ライヴズ・マター、マンスプレイニング、キャンセルカルチャー、構造の不正義、それらに私たちはどう立ち向かっていくべきかを述べている。 最終的には人種差別的な資本主義を崩していかねばこの世界を席巻する問題は解決しないだろうという結論だったが、それらを解体するには途方もなく、またその途方もなさをどう抱え、どう生きていくかというところまで述べているのがよかった
  • 2026年5月24日
    ざんどぅまの影
    澤村伊智の!新刊!読みました!おもしろかった……。ちょと今のところ今年のベスト3に入りそうだ。いまのこの時勢で、社会をこれだけ取り込みつつ、小説でしかできない表現をしており、そしてホラーとしてしっかり怖いのすごすぎないか、小説うますぎ。 今回は障害者、ミックスルーツ、沖縄への差別と米軍や先の大戦による天皇批判要素もあり、めちゃめちゃ盛り込んでくるやん……と思いながら読んでいたし、最後のあの小説だからこそできる演出、自分の偏見が浮き彫りになり、食らった。本当にまだまだ自分のなかにある偏見を引き剥がすのは難しい。今回体感でもって自分のなかに内在化した偏見の存在がわかってよかったと思う。 また排外主義に陥る人間の心理、それが成立する環境がどうできあがっていくのかも緻密に書かれていて、それに伴う差別や偏見による加害もかなり含まれるので、読む人はその点に気をつけてほしい。 ホラーというジャンル柄、このへんのラインがしっかりしている作家さんは大変貴重だ。貴重というのも悲しい話ではあるけれど。 比嘉勝子さんがかっこよすぎて、私はちゃんと澤村伊智作品を誠実に映像化してほしいんですよ。誰かもっかいやってくれないか…
  • 2026年5月17日
    のっけから失礼します
    おもしろいと聞いていた三浦しをんのエッセイ。書き口?がめちゃめちゃオタクのそれでウケてしまう。コテコテのオタクしゃべりとでも言えばいいのだろうか。セルフツッコミの嵐であった。 文章や日常へのまなざしはすごくおもしろいのだけど、ちょこちょこと自虐が過ぎるんでは…そんな、そこまで言わんでもと思うような表現などもあって、でも女オタクってわりと自虐や自己卑下が標準搭載な感じもあるよなあと思う。なんでそこまで自分を下げなきゃならないんだろうか。自虐って相当上手にやらないと他の人のことも踏むよなあ。後半はほぼハイローか宝塚の話をしておらず、オタクが何かにハマったときの熱量がありありと伝わってきた
  • 2026年5月17日
    獅子座、A型、丙午。
    「あの本、読みました?」の司会をされている鈴木保奈美さんのエッセイ本。 番組きっかけにInstagramまでフォローしてしまった。最近ではNHK BSで放送していたドラマ「対決」がすごくよかった。 中身自体は連載をまとめたエッセイなのだけど、ナチュラルにフェミニズムの思想が出てきたり、母親というものへの屈託が出てきて芸能人のエッセイだとめずらしいなと思いつつ読んだ。私のイメージとしては鈴木保奈美さんといえばトレンディドラマで大人気の俳優さんのイメージがあったので、そういった人でもこういう関心があることはとても心強い。小泉今日子さんにも通じることだけれど。
  • 2026年5月6日
    或る集落の●
    連作短編集。久しぶりに読んだホラーもの。けっこう人間の持つ禍々しさと人ではないものの存在の不気味さが文章からずっと漂ってきて、世界観への没入感があって、ひー!と思いながらもするするっと読んだ。連作短編集なので、話がじわっとつながっていて共通する人物が別の話にも出てきて、それが活かされた展開でさらに強さを増す構成になっていた
  • 2026年5月5日
    日記の練習
    日記の練習
    日記が苦手なので引き続き日記に関する本を読む。くどうれいんさんの『日記の練習』は一ヶ月に1日ごとの日記を書いて、その月の終わりに長めのエッセイをひとつ書くという形式で進んでいく。書いていない日もあり、その書いていない日も数日続く期間が存在しており、日記を続けることの定義がだいぶやわらかくなった。いろんなことが描かれているけど、やはり私は日記やエッセイはその人の思考ジャグリングが見たいので友人やパートナーと何したということにはとんと興味がなくて困る
  • 2026年5月5日
    フェミニズム (岩波新書 新赤版 2098)
    フェミニズムの起こりや現代にいたるまでの歴史をまとめた本。おもしろかったし興味深かった。宗教右派によるバックラッシュまでほぼ最新までカバーしていた。戦争とフェミニズムの関係性についても書かれていて、第二次世界大戦時は連合国軍側は女性を積極的に登用していたのに対し同盟国側(日本)は女性はいわゆる銃後の守りをすべしという家のなかに閉じ込めることをしていたこと、またそのなかでも日本は「産児報国」「結婚報国」を推奨していたと知り、現状の女性差別が温存されている状況との因果を思わずにはいられなかった
  • 2026年5月5日
    木洩れ日に泳ぐ魚
    図書館で返却したばかりの棚から借りてきた。二人の男女が部屋で夜から朝までずっと話をしているだけの小説なのだけれど、それでも確実に話が展開していくし、その展開に目が離せなくなって全然ダレないし、人物の物理的な移動がここまでなくてこんなにおもしろくなるのすごいな……。恩田陸は何を書いてもおもしろいな……
  • 2026年5月1日
    AはアセクシュアルのA 「恋愛」から遠く離れて
    アロマンティック、アセクシャルと自認している川野芽生さんのエッセイ。 あまりにも当然のように横たわる恋愛(異性愛)の規範に読んでいて気が遠くなってしまう。恋愛していて当然という空気がどれだけの人を引き裂いているかと思うと、つらくなる 人間の意識なんてそう簡単に変わるもんじゃないので、私は制度から変えていくしかないのではないかと思う。行政や福祉の制度から家族主義を抜いて、個人単位での制度にしていく必要がある。婚姻を前提とした制度を取っ払うことが恋愛の圧力を弱くしていくのだと思う
  • 2026年5月1日
    新訳 動物農場
    新訳 動物農場
    2026年4月現在に読むジョージ・オーウェルの『動物農場』こわすぎ なんで今のことが書いてあるんだよ~~~…とめしょめしょしながら読んでいた。もう有名作品すぎるけれども、本編はもちろんだけれど、巻末に収録されていたオーウェルの序文がかなりよかった 当時の社会情勢(ソヴィエトなど)のことを批判しているが、2026年現在にもバチバチにハマっている。 正義や平等に関心を持たない動物たちがなんの抵抗もしないまま従順を受け入れることで、指導者が暴走してそのコミュニティごと破滅へ向かっていく。リアルタイムで起こっていることすぎて、読んでいてみぞおちあたりが重くなった。
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