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@note_1581
悲しみなら忘れられるけど 愛はなかなか消えやしないよ 2025.03.05〜
  • 2026年1月6日
    ししりばの家(4)
    澤村伊智再読。 家を使ったホラーはたくさんあるけれど、その家に砂をかけ合わせてくるのはさすがに初めてだ 解説で三津田信三(マジで?)が”砂”をモチーフにした作品のことも上げて、この作品で”砂”がどんな役割をしているか、旧来の”砂”作品と何が違うのかを解説している 家を構成する家族。たとえば父親、母親、子ども 今作は”ししりば”が”家”を守ろうとするあまり、家族に”欠け”ができると外から埋め合わせるために他人を連れてくる つまり大事なのは家族を構成する役割や立場であって、その人個人ではないということだ 考えすぎかもしれないが、なんというか、”家”にこだわるあまりに個をないがしろにする、もしくは個はさほど重視しないというのは代えがきくということでもあるという批判にも思えてくる そう思わせてくるだけのイエや家父長制の批判を澤村伊智は作品でしてきた 少なくとも私はそう受け取っている
  • 2026年1月4日
    Jホラーの核心
    ハヤカワ新書で気になっていたやつ ホラーは何を恐怖の対象とするか、恐怖の対象をどう描くかでその作品に何が込められているのかを表現している 恐怖は差別や偏見の源泉になりやすく、だからこそ取り扱いに注意を払わねばならない 昨今またブームが再興しているJホラーについて、Jホラーの歴史や用いられてきたモチーフを取り上げながら、そのモチーフがどう使われてきたのか、それはJホラーにどういう影響を与えてきたのか、それが今のJホラーの再ブームにどうつながっていくのかを論じている 私としては第3章の「女性」が特に気になっていた。Jホラーは女性の幽霊が恐怖の対象として出てくることが多い なぜそれは女性なのか、なぜ髪が長いのか。恐怖の対象としての女性は何を浮かび上がらせているのかを分析している こういうジェンダー的側面からモチーフを分析したり解釈したりするのはいずれの分野でも挑戦する価値はあるだろうが、恐怖の対象としての数の非対称性からするとやはりホラーで行うことは有異議なものだと思われる
  • 2026年1月4日
    小泉八雲と妖怪
    朝ドラ『ばけばけ』の影響で引き続き、小泉八雲やセツのまわりの本を読む これは小泉八雲のひ孫である小泉凡さんの著書であり、今まで何冊か読んだ小泉八雲や小泉セツを取り扱った本のなかでも群を抜いて、彼の思想や価値観、何に影響を受け、何を好み、何を嫌ったのかが書かれていた 小泉八雲が日本の自然災害の多さとそれに由来する精神性に着目しているところもそれだけ日本の気候や風土になじんでいたからというのもあるだろう なかでも熊本に住んだおりに行った講演では当時から”政治による戦争ではなく、経済の戦争の時代がくる”と見据えた話をしていたことに驚いた 八雲は距離でいうと地球半周以上の距離を移動し、その生涯を終えたという。またキリスト教とになじめず、障害も持っていたことから、社会に弾かれてきたという自覚もあっただろう そんな属性を持ち、あらゆる場所の文化や価値観に触れた彼だからこそこのような現状に通じるようなことを考えたのかもしれないと思うと興味深かった
  • 2026年1月4日
    ずうのめ人形(2)
    『ぼぎわんが、来る』を再読したら、当然ながら次巻の『ずうのめ人形』も読みたくなったので、年越しをまたいで再読 相変わらず冷笑オタクを批判的に書くのがうまいな… ジェンダーまわりの描写もうまい。 男性ファンが多いところで女性がそれを好きと言うと「彼氏の影響?」なんて舐め腐ったことを言われる。今でも全然ありえる 読み口はミステリーにだいぶ近く、怖さよりも謎に迫っていくわくわくのほうが強い 文庫の中ではやや厚めだったけど、ぐいぐい読んだ。年越しながら読むものではないかもだけど(笑) しばらく澤村伊智再読します
  • 2025年12月27日
    法廷占拠 爆弾2
    『爆弾』の続編ということで読んだ いや~、おもしろい。ぐいぐい引き込まれてしまった 会話がおもしろい小説って最高だな エキサイティングでこれがエンタメ小説か…!と唸った 映画『爆弾』で伊藤沙莉さんがやっていた役が今作ではかなり活躍するのでこれも映画で見たいな~~と思ってしまうんであった あと相変わらずスズキタゴサクがよくわからくて、そのわからなさが不穏で怖い、また佐藤二朗で見せてくれ これ3作目もあるんかな。あるならぜひ読みたい
  • 2025年12月23日
    天地創造デザイン部(9) (モーニングコミックス)
    『天地創造デザイン部』、新刊だあ~~~! 楽しみにしてた…!相変わらず、多様なキャラクターと勉強になる動物や環境の知識がふんだんに詰め込まれていて、読んでいてもおもしろく、とてもよかった 学校の教室に置いてほしい漫画のうちのひとつ 社長がかっけえイケイケのマダムなのが超よかった。今回一番度肝を抜かれた動物知識はトラ、次点がミーアキャットです
  • 2025年12月23日
    友達だった人 絹田みや作品集 (熱帯COMICS)
    読んだのに感想を書くのを忘れていた、不覚! SNSで流れてきたのやつ。短編がいくつか収録されていて、そのうちのひとつの話が流れてきて、すごく気になって読んだ それこそSNSでいつもTLで見かけてた、気軽にメッセージのやりとりをしていたような人、楽しそうな様子を見るだけで嬉しくなる人がいる人には全員読んでほしい~ あったかくて、胸がじんとする短編が収録されていて、他の話も同じくあたたかくておだやかなものだった こういう作品を描く人はささやかな機微を物語にできるのですごい 人への愛の眼差しがないとできない
  • 2025年12月22日
    40歳だけど大人になりたい
    王谷晶さんのエッセイ、『カラダは私の何なんだ?』がすごくおもしろかったのでこの『40歳だけど大人になりたい』も読みたくなった タイトルにもある通り、王谷さんが1冊のなかでずーーーーーーっと「大人になるとはどういうことか、いったい何なのだ」を章立てて書いてくれているんだけど、私も何を隠そう大人になりたいがなれている気がしねえ…人間なので、王谷さんが綴っている大人になれていない自分に関する不甲斐なさや罪悪感のようなものに頷きまくりながら読んだ そのなかでも私が特に刺された部分がある。 ”私のどこか特にうんこ野郎なのかというと、自分のことにしか興味がない部分だ。"という一文だ。もう、グッサリ刺されてすっぱり切られた。図星の痛みは鈍く鋭く、だらだらとそこから血が流れているのを感じる そう、私は自分自身にめちゃめちゃ興味があるのである。他人に興味がないというと一部の人は”そんな厨二病みたいなことを"と言う人もいるが、だってどう考えても他人<<<<<<自分への興味なのだ 自分がなぜそう思うのか、なんでこれが悲しいのか怒りがあるのか、これが嫌いなのは、好きなのはなぜなのか。そういうことを知りたくて、いろんな本を読んだり映画を見たりすることがかなり、ある。もちろんそうじゃない動機もあるのだけど それも究極はこれを知っている自分になりたいという動機がかなり大きい気がする。マジで自分に興味がありすぎる。自己分析大好き野郎です。MBTIは危ないし信憑性もないのでやりませんが… 大人になるって何なんだろうな~~~~。わからんよお~~~。わからないけど、でも生きている人が少しでも生きやすくなることを祈っているし、そういう社会にしていきたいし、そのためにできることを粛々とやっていきたいとは思っているよ
  • 2025年12月21日
    ラ・パティスリー
    この前も読んだ上田さんのパティスリーシリーズを読んだ 夜に読んでしまったのでチョコレートとかケーキがすごく食べたくなった… わかってて読んだけど、お菓子作っている様子とか書かれるとさ… 連作短編っぽい感じで、謎解き要素があったけどこういうのをコージーミステリーというのかな おいしそうな小説はそれだけで楽しい~
  • 2025年12月17日
    小泉セツとハーンの物語
    小泉セツとハーンの物語
    朝ドラ「ばけばけ」がおもしろくて、やっぱりこれは小泉セツと小泉八雲のことを書いたやつを何かしら読まねばと思っていたら、図書館にあって借りて読んだ 児童書コーナーのところにあったけど、内容はかなり読み応えがあり、それでいて平易な文章で書かれているので理解もしやすかった ハーンの人生とセツの人生、その二人の人生がどう交わり、ともに歩んだか 朝ドラでこの夫婦が気になっている人にはぜひ…
  • 2025年12月16日
    オトコのカラダはキモチいい (角川文庫)
    オトコのカラダはキモチいい (角川文庫)
    二村ヒトシさんがPodcastで話しているのを聞いて読んでみたくなった もともと2015年に発売された単行本に加筆修正されて2017年に刊行された文庫本 今から10年以上前であるので、この時点から見れば言葉の捉え方に関してやや古い面があることは否めないが、今なおあまり解決されていない、支配欲や加害欲を性欲と取り違えているのではないかという問題提起や男性が自分の身体や心に関して鈍感であることを指摘しており、このころから言われていたのか…ということと、今なお解決する兆しがあんまり見えてこないことを考えてしまった それはそれとして、まじめに性、とりわけ男性の身体のことを考えている内容のため興味深く、面白く読んだ
  • 2025年12月16日
    菓子フェスの庭
    菓子フェスの庭
    食いしん坊なのでおいしそうな食べ物がでてきたり、食べ物をおいしそうに書く人の小説が好きである 上田さんはパティシエのシリーズがあり、これもそのうちのひとつだそうだが、お菓子ばかりが出てくるので飽きてしまいそうなものだが、そのおいしそうな描写というのも手を変え品を変えであらゆるケーキや菓子を出してくる やっぱり同じようなもの、似たようなものになりそうなことをあらゆる言葉で表現できるのは作家ならではだよな
  • 2025年12月9日
    ぼぎわんが、来る(1)
    再読。いやー、やっぱりおもしろかった…すごい… ”なぜいつも出て行くのは女の側なのか。母親なのか、妻なのか。 理由は明白だ。 家という単位は、夫の―男の所有物だという価値観が根底にあるのだ。 妻は、女は、そして子供は、そこに住まわせてもらっているに過ぎない。法律もその価値観が前提にとなっている。世帯主はたいていが夫だ。 わたしは納得しない。 わたしの身体と心が納得しない。” 澤村伊智はここまで書ける作家なのだ。ホラーのなかにこういう社会への批判的な内容を含むところがたまらなく好きだし、ミソジニックな内容になりがちなホラーだからこそ、こういう書き手は貴重だと思う。 いやー、1巻読み直したらシリーズ全部読み直したくなってきた…読もうかな…
  • 2025年12月9日
    爆弾
    爆弾
    映画を観たので原作も読んでみた。500ページ近くあったけど、映画さながらの緊迫感がありめちゃめちゃおもしろかった 映画だと登場人物それぞれの内面の描写が少なかったけど、小説だとそこにページが割かれていて、行動の動機や心情の変化がよくわかった 特に映画から印象が変わったのは清宮で、映画のほうがソフトな感じだったな ページにぎゅうぎゅうに字が詰め込まれているが、会話劇と話の展開に臨場感があるのでたくさん読める!と興奮した 映画を観たあとなので、タゴサクが佐藤二朗さんでしか想像できなかったし、類家も山田裕貴さんだった 続編の『法廷占拠』も読みたい
  • 2025年12月1日
    名著でひらく男性学 <男>のこれからを考える
    名著でひらく男性学 <男>のこれからを考える
    この本は、名著の解説と対話形式を通して、現代の男性学を学ぶ入門書だ。1990年代に注目された男性学が近年再燃するなか、男性が抱える構造的な加害性と、実存的な生きづらさ(疎外・不安)のねじれに焦点を当てている。 批評家、研究者、実践者など4人の著者が、それぞれの視点から男性学の「名著」を紹介・解説し、そのテーマについて深く語り合うことで、「男」のこれからを考えるきっかけを提供してくれる1冊である。男性学といっても分野は様々で、それぞれで活躍する男性が名著を持ち寄っていたが、別のフィールドにいるからこそ、多方面から男性学についての語りが展開されていた。 私が特に興味深かったのは「戦争」に関する内容と、男性に向けられる「キモい」という言葉についてだ。「キモい」ということ自体が孕む差別的な視座があるという指摘である。”ある種の健常者主義(エイブリズム)と新自由主義(ネオリベラリズム)的な自己責任論が絡み合って、コミュニケーションが円滑な人間こそが「キモくない」んだ、そうでない人間は「キモい」んだ、という基準がたぶん強くある。”という指摘には唸った。たしかにそういう面があると感じるからだ。 男性学には距離を取っているリベラルや左派もいるだろうが、こういう指摘を受け、気まずくなることは必要ではないかと思う。男性を一絡げにしたくなる気持ちは多いにわかるが、かといってそれでいいわけがない。私は誰であろうがもっと生きやすくあってほしい。
  • 2025年12月1日
    町の本屋はいかにしてつぶれてきたか(1079)
    戦後の日本における書店業界の歴史をたどりながら、かつて全国各地に存在した「町の本屋」が衰退していった構造的な理由を、業界内部の対立や変化に焦点を当てて解説した本。 読んでいて知らなかったことがかなり書かれており、なるほどなあと思うと同時にSNSで盛り上がっている町の本屋論争みたいなものは基本的にすでに存在している問題であったり、それはそれとしてやっぱり出版社や取次のパワーが強すぎる&マチノ本屋や図書館に対して無責任すぎじゃね?と思う点がかなりあり、出版業界が斜陽産業で~と嘆いている姿を見ても、まあ無責任の結果じゃないすか?もっと消費者や本屋の側に立っていればよかったね、といういじわるなことを思ったりもしたんであった よく言われる兼本屋は今始まったことではなく、昔からアイドルのブロマイドや文房具、ちょっとしたおもちゃなどを兼ねて売っており、利益が出にくい本の代わりのそれらが利益を出していたというのは、たしかにそうだよなあと納得したんであった。個人的に本屋という場所が好きなので、なくなってほしくないなと思う
  • 2025年12月1日
    小泉八雲とセツ その言葉と人生
    朝ドラ『ばけばけ』のモデルとなった小泉八雲とその妻の小泉セツの関する本。やはり1冊ぐらいは読んでおきたかった。 八雲(ラフカディオ・ハーン)の生い立ちはかなり壮絶で、どこへ行っても自分の居場所はない、ここではないという気持ちがついて回ったのだろうと思ったし、それが日本の松江に来たことで、セツとであったことで自分のサンクチュアリをやっと見つけられたのだなあ。 『ばけばけ』でどれくらい八雲のことをそのまま取り入れているのかはわからないけれど、ヘブン先生の生い立ちはまだ謎の状態なのでどう取り上げられるのか楽しみ~。小泉八雲の怪談のなかでも人気の「雪女」「ろくろ首」「貉(むじな)」「耳無芳一の話」などの現代語訳版が巻末に特別収録されていて、そちらも読んだけどやっぱり怖くて不思議で、でもその感覚がすごく馴染む。八雲がどれだけ日本の風土や文化に浸かっていたかがわかる
  • 2025年12月1日
    Another(下)
    Another(下)
  • 2025年12月1日
    Another(上)
    Another(上)
    有名タイトルだけどまだ読んでなかった『Another』 ホラーとミステリの融合した作品でめちゃめちゃおもしろかった。さすが綾辻行人氏である。ホラーの展開ながらもミステリの要素があり、読み進めていくとあるところでがらりと状況が変わって「あー!」となるところがある。さすがとしか言えない…。 完全に手のひらの上だった。うわ、そういうことかよ…!と悔しさ半分、騙されていた快感半分ですごくおもしろかった。やっぱりホラーとミステリの両方の要素がある小説は好き
  • 2025年12月1日
    白い衝動
    白い衝動
    映画「爆弾」の著者である呉 勝浩氏の小説。殺人衝動を抱える少年、刑期を終えた元凶悪犯、そして彼らと向き合うスクールカウンセラーの三者を通じて、「悪」「贖罪」「他者の包摂(ほうせつ)」という非常に重いテーマを深く掘り下げた社会派ミステリ。 「爆弾」と通じる会話によって話が展開していくのがやっぱり好き。密度の高い会話劇おもしろい。こういうのが得意な作家さんなんだなーと思う。 他者を包摂していくべきという理想はどこまで実現可能なのか、読む人の倫理観や価値観に問いかけてくる作品かつ上質なミステリで頭を使いながら読むいい読書体験だった
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