
No.310
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2026年6月18日

暗色コメディ (双葉文庫)
連城三紀彦
読み終わった
精神疾患を題材にしたミステリー。
連城三紀彦らしい美しい文章に魅了される。
複数人の思考が絡み合うことで現実と妄想の境界が崩れていき、ホラーの趣さえ漂うカオス空間になっている。
一目でそれと認識できるタイプの異常もあれば、筋道は通っているのに俯瞰で見ると完全に破綻しているタイプの妄執もあった。
個人的には後者の方が読んでいて応える。狂気は理路整然としないでくれ、怖いから。
窓から見えるマンションの灯りにメッセージを見出す場面などは、現実にいながら遠い世界に行ってしまったような感覚を残す。
トリックは偶発に頼っている部分が多いように感じたが、それでも読み手を引きずり込む力のある一冊だった。
