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No.310
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@__310__
遅読界隈
  • 2026年2月9日
    星を継ぐもの【新版】
    星を継ぐもの【新版】
    論理的なミステリーとしてだけでなく、文章の抒情性にも心を掴まれた。 月面や木星でのフィールドワークの描写の美しさや、それまで論理の積み重ねだったストーリーが遠い時代を確かに生きた人間の物語へと昇華される場面の高揚感がとてもいい。 各々が専門分野の自説を譲らず喧々諤々の議論を繰り広げていたり、閉鎖空間で共通の謎に向き合うことで信頼が生まれたりと、科学者たちの人間臭さを味わえるパートも面白かった。 学問的な対立はあっても、「真実を知りたい」という純粋な好奇心は共通しているところがいいな。 主人公が優秀なあまりマネジメントから現場作業までの全てをやらされていて、「が、頑張れ……!」と思ったりもした。 謎が謎を呼び、その度に物語のギアが上がっていくのが好きだった。 カタルシス溢れるラストシーンを駆け抜けた時の爽快感たるや! 次作『ガニメデの優しい巨人』も早く読みたいと思う。
  • 2026年2月3日
    怠惰の美徳
    怠惰の美徳
    怠惰とは基本的に第三者からの評価によってなるものだと思っていたが、梅崎春生は誰に指摘されるでもなく好き好んで怠惰をやっている感じがあって面白かった。一本筋の通った怠惰。 『寝ぐせ』が笑えて好きだった。 布団から出たくないよぅ、とつらつら書いていたかと思えば、押し売りが来たと見るやいそいそと出て行って口喧嘩。なんなんだ。 敵意を持って合うことが許される相手というのもそういないから、そんな状況が楽しいのも分からないでもない。 生命保険の営業に唯我論じみたクレイジーさをぶつけて困惑されるくだりが特にいい。 初対面の人を相手に発露していい狂気のわりとギリギリのラインだろ、と思うと同時に知的な爽快感がある。 そんな愉快な筆致とは打って変わる『防波堤』の鋭くも壊れそうな感情の描写もとてもよかった。 優しく繊細であるがゆえに、世界との摩擦に尖った態度を取らざるを得なかったのかもしれないな、と思う。 途中まで「あるある」「わかる」と笑っていたのに、全て読み終えた後は戦後派の痛みの一端に触れたかのような気持ちになった。
  • 2026年1月20日
    台湾文学コレクション1 近未来短篇集
    台湾文学コレクション1 近未来短篇集
  • 2026年1月20日
    造花の蜜
    造花の蜜
  • 2026年1月20日
    ジジイの片づけ
    ジジイの片づけ
  • 2026年1月20日
    暗色コメディ (双葉文庫)
  • 2026年1月20日
    夜よ鼠たちのために
  • 2025年12月20日
    砂の女
    砂の女
    卓越した写実表現に満ちていて、非現実的で不条理な設定が現実として迫ってくる感覚があって凄かった。 特に砂の"執拗さ"みたいなもののリアリティはなんなんだ……読んでるだけで口の中がジャリジャリしてくる……。 常に理屈っぽいくせに極限に近づくほど性欲が剥き出しになっていく主人公が非常に気持ち悪くも、人間であるこのと業と滑稽さ感じてに嫌いになれなかった。 順応性が持つ優しさと恐ろしさの両方が書かれていたように思う。 砂の世界が自由の象徴なのだとしたら、自由はあまりに広くあまりに獰猛だと思った。
  • 2025年12月14日
    水の都
    水の都
    優しい筆致の中に浮かび上がる大阪商人たちの営みが、静かながらも生き生きとして鮮やかで心地いい。 文中に挟まれる手紙のやり取りの美しさと丁寧さに見惚れてしまう。 時候の挨拶一つとっても、こんなに豊かな日本語の表現があるんだなぁ、と感心した。
  • 2025年11月14日
    世界怪談名作集 北極星号の船長ほか九篇
    『北極星号の船長』と『聖餐祭』は愛の物語だったし、他の話も可哀想だったり不気味だったりするけどそこまで怖くないから次の話も大丈夫でしょ!と少しナメた感じで『ラザルス』を読んで腰を抜かした。こ、怖すぎる……。 名前からしてイエスが蘇らせたラザロの後日譚なのだと思うが、死のほとりで何があったんだろうと考えたら本当に恐ろしい。
  • 2025年10月25日
    世界怪談名作集 信号手・貸家ほか五篇
    『ヴィール夫人の亡霊』がよかった。 互いの境遇を嘆きあいながら少女時代を過ごした親友が主人公の前に現れ、短くも豊かなひと時を共に過ごした後、旅行に行くと告げて去っていく。後日、主人公は、その日の前日に親友が持病でこの世を去っていたことを知る。 言ってしまえば"それだけ"の話なのに美しい。
  • 2025年10月25日
    月と六ペンス
    月と六ペンス
    地の文が面白くてどんどん読み進められてしまう。 過去に読んだ翻訳物の中でもダントツにリーダビリティが高い。 始めはストリックランドを本当に嫌な奴だと思っていたが、だんだんと彼の芸術家としての矜持を魅力に思うようになり、(おそらく)満足な最期を迎えられたことに安堵している自分がいた。 芸術の魔力に取り憑かれたまま、未開の地でわりとよくいる変な奴として死ぬ。死んだあとのことなんかどうだっていいのだ。 憧れるけど真似できないよなぁ。
  • 2025年8月11日
    迷子手帳
    迷子手帳
  • 2025年7月27日
    本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む
    二人のやり取りが微笑ましくていいな〜なんてヘラヘラしながら読んでいたが、いつの間にかみくのしんさんにつられて泣いたり笑ったりしながら課題の小説を一緒に読んでいた。 みくのしんさんの目を通して読むと知っているはずの小説が初めて読む物語みたいになるし、その世界が彩度を上げて眼前に迫ってくるのですごい。このひとは本を読む才能がありすぎる。 音読しないと読書ができないみくのしんさんが杜子春の修行に付き合ってあげたくて一緒に無言になるところと、その結果当然のように読み進められなくなるところが一番好き。
  • 2025年7月21日
    族長の秋
    族長の秋
    全編通して奇術じみた文章で難解、でもすごく面白かった。 ずっと鮮烈でやかましくて、ずっと鬱々として寂しい。 語り手が大統領、国民、臣下その他登場人物と次々に交代し、その語り口も独白、回想、会話と滑らかに移り変わって読み手を振り回すので、慣れるまで大変だった。 時間軸も空間軸も四方八方に飛び散って、気付けば強い太陽が照りつける道端に放り出されて迷子になる、そういう感覚が生まれる。 「自然の運行をねじ曲げ、宇宙を破壊することになってもいいから」 ↑とてつもない愛の表現としてあまりに美しくて大好きな一文。
  • 2025年7月10日
    檸檬(れもん)
    檸檬(れもん)
    梶井基次郎の書く文章は、なんとなく度量の広さみたいなものを感じるので好きだ。 気病む中にも明るさがあり、床に伏せる時にも爽やかな希望がある。 表題作の終盤、記憶しているよりもいくぶん派手に売り場を荒らしていてよかった。 いやよくはないが。
  • 2025年7月5日
    あわいに開かれて
    「人間は重力から逃れられないのだから、生きることはむしる落ちていくことではないのか。古い記憶が上にあり、月日が経過していくうちに、人はどんどん落ちていくのだ。だから思い出すことはむしる上がろうとすることではないのか。」
  • 2025年6月22日
    百年の孤独
    百年の孤独
    知らん街の酒場で居合わせた人の家族の話をいや誰が誰だよと思いながらフンフンと聞いていたらいつの間にか奇天烈な旅路に巻き込まれていた、みたいな感覚で面白かった。 序盤は「これ面白いけど読みきれるのか…?」と不安になっていたが、死に様選手権の様相を呈してきたあたりから猛烈に面白くなってきて一気に駆け抜けてしまった。 解説に書かれていた「早くも十七歳のころにのような物語を書くことを思いついたガルシア=マルケスだが、」という一文でひっくり返った。バケモノすぎる。
  • 2025年6月9日
    蛸足ノート
    夫婦の可愛らしいエピソードが多めでほっこり。 奥さんのこと大好きなんだろうなぁ、素敵だ。
  • 2025年6月7日
    彗星交叉点
    今回も思わず声を出して笑ってしまうエピソードが多くて楽しかった。 日常で触れる言葉は捉える人次第でここまで面白くなるんだな。
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