
きらた
@kirata
2025年5月30日

読み終わった
明治40年の東京を舞台に、心優しく人の良い雑誌記者と超絶美形の売れっ子天才絵師、2人の青年が、彼等の周辺で起きた事件を解決する、人情味溢れる連作短編集
《帝都探偵絵図》シリーズ1作目
単行本(四六判)では4篇しか収録されていないらしいのでご注意下さい
(文庫化時に最後の話が追加されたとの事)
語り役が探偵役の作品は少し珍しい気がしますが、それよりも珍しさを感じたのは、力関係やキャラ的な魅力等では圧倒的にワトソン役の方が上である、との点
誰もが惚れ惚れとする容姿の天才絵師
描く絵は飛ぶように売れ、“彼の描く女性の様だ”と言うのが女性に対する最上級の賛辞になる
しかし天才故に?気難しく、法外な額を要求もするし、気に入らなければ筆を取ることもない
しかし表紙を飾れば雑誌は完売、挿絵ひとつでも売り上げが変わる
故に編集者達は絵師のご機嫌を取ろうと苦労しているのだが‥‥
と、言う絵師がワトソン役なのである
対して、語り手である探偵役は、先にも書いた通り雑誌記者
しかも編集長と彼位しか居ないのでは?と思う位の弱小の雑誌社の記者なのである
しかし彼は絵師に気に入られ、普通の額で雑誌に挿絵を描いてもらえている
同業者からはどんな手を使っているのかと探られたり?するのだが‥‥
読んでいくと(1話目の終わりの方かな?)、探偵役の彼が単なる普通の青年ではない家庭環境にある事が分かりますが、それはさておき
探偵役の彼自体は人の良さ故に貧乏くじを引きやすいタイプのキャラなのです
要するに、気を遣いがちな探偵と俺様ワトソンって言う組み合わせ
(俺様は言いすぎかもしれない‥?)
しかも、そんな性格なので探偵役は推理する事にはあまり積極的だとは言えず
ワトソン役の絵師が“さあその謎を解いてみせろ”と焚き付けてくるので、絵師の機嫌を損ねない為に探偵役は必死で考えるのです
‥と、書くと探偵役が無理難題を押し付けられる可哀想な立場にも思えるのですが
確かに立場的にはワトソン役が上で、仕事をしてもらう為に探偵役は従うしかないとの面はあるのですが
探偵役は絵師の描く絵のファンであり、これも1話目の終わりやらその先の話で明らかになって行くのだけど、絵師も彼には編集者との付き合いだけではなく、友情を感じて接しているのです
そんな訳で、多少の力関係はあるものの、お互いに相手に敬意を払っているのが心地良いです
日常の謎よりは事件寄りだけれども、基本的には毎話終わりはハートウォームな感じ(4話目は違うかも知んない)なので、殺伐感はほぼないかな
時代設定も必要であり、違和感もなく、いい感じのレトロ感に浸れました
まあ、そんなに明治時代の雰囲気を知ってる読み手ではないと思うのでそこら辺は話半分で
あと、兄を探す妹とか、嫁に行く姉とかも出て来ますが、女性キャラも気持ちが良いキャラで嬉しかったです(*´艸`*)

