彼らは読みつづけた "その角を曲がれば" 2026年6月19日

その角を曲がれば
*本の中の読書* 《「ここにもダザイを読む中学生がいたか」 先生は私に本を手渡しながら、軽やかに笑った。 それは、小学生の時に読んだ同じ作者の『走れメロス』とは全然違うタイプの小説だった。面白いとは思えなかった。それなのに私は本を手放せずに、一気に読んでしまった。主人公の自意識にも絶望にも目を背けたいのに、まるで何かが追いかけてくる。このまとわりつく気分は何なのだろう。真由子はこの小説の何を面白いと感じたのだろう。たぶん、美香も樹里も、興味のひとかけらも示さないだろう、何十年も前の暗い小説。》 — 濱野京子著『その角を曲がれば』(2025年10月Kindle版、講談社)
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