
izy
@izy
2025年3月25日

かつて読んだ
大正4年に書かれた小説だが、若い夫婦の危うい関係が鮮明に描かれ、愛情と憎しみ、そしてあきらめがミックスされた複雑な心理描写は現代にも通じている。
家族の最小単位である夫婦でさえ、十全なコミュニケーションは困難で、古典を繙いても、イザナギ・イザナミの昔から夫婦はずっといさかいを経験してきて、一番身近な他人にさえ想いが伝わらない絶望感は人類に普遍的な感情かもしれず、しかしその上で手を伸ばすことは、とても厳しくつらいことかもしれないが、安易にわかりあえたふりをするコミュニケーションもどきよりはずっとマシではないか。
そんな他者と交わることの困難と可能性が描かれているように思った。




