
てらだ
@yoknel
2026年6月21日
YABUNONAKA-ヤブノナカー
金原ひとみ
読み終わった
面白かった。
章ごとに一人称視点の語り手(?)が切り替わっていく藪の中方式。語り手が変わる度に、自分が把握している短所の他に、第三者にしか見えていない、この人のこういうところちょっときついな……という部分が露わになっていくのがグロテスクだった。登場人物の全員に対して共感とそれ以上の危うさ・嫌悪感をしっかり感じた。
終盤の木戸さんの章で、散々言われてきた木戸さんが全ての面倒な仕事を巻き取って行くところが頼もしかった。仕事を適切に振れるし、場を取りまとめられるし、わからないことも自分で調べる努力が出来る。社会に対するバランス感覚も1番信頼できるように感じた。でもこれもまた木戸さんのフィルターを通したものであって、結局、自分で認識している自分と、多くの他人に拾い上げられるイメージから成る自分の何が本当なのかわからなくなった。まさに藪の中。
『相手が一人じゃなきゃ百人だって作れるとか言うやつの子供は、百人全員が堕胎するだろうね』
