彼らは読みつづけた "小説家仇甫氏の一日" 2026年6月21日

小説家仇甫氏の一日
小説家仇甫氏の一日
山田佳子,
朴泰遠,
李箱
*本の中の読書* 《母に連れられて親類の家に行って来て、仇甫は自分も物語本が読みたいと思った。だが家ではそれを禁じた。仇甫はこっそり女中に聞いた。女中は貸し本屋にはどんな本でもあるということと、一銭で充分一冊借りてこられることを告げ、だけど叱られるよ──。そして次に、面白いのなら春香伝が一番よ、そう彼女は独りごちた。一枚の銅貨と真鍮の碗のふた一つ。それらが、十七年前のそれらが、のちにやって来た、そしてまたやって来る、あらゆることの根源だったのかもしれない。寝る前に読んだ物語本。夜を明かして読んだ小説本。仇甫の健康は彼の少年時代に決定的に損なわれたのに間違いない……。》 — 朴泰遠著/李箱絵/山田佳子訳『小説家仇甫氏の一日』(2026年4月、平凡社)
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