
すゆ
@suyu12
2026年6月21日
眠りの航路
倉本知明,
呉明益
読み終わった
睡眠の異常に悩まされるようになった、主人公の「ぼく」。
その原因を探っていく中で、夢を通じて父三郎の記憶の断片が浮かび上がってくる。
戦争により、祖国台湾から日本に渡り、神奈川大和にある戦闘機工場で少年工として働いた三郎。
焼夷弾の爆撃音で難聴を患いながらも、帰国後は中華商場で日々黙々とラジオの修理を行っていたが、商場の取り壊しと共に行方がわからなくなってしまう。
失われた少年時代、聾の患い、アイデンティティの揺らぎと喪失等…見えてくる三郎の半生から、戦争がもたらした知られざる苦悩、被害があったということを知り、心に残った。
同じ著者の作品「自転車泥棒」同様、カメや菩薩といった人以外の視点で語られているのも独特で面白かった。
