
はるき ⚠︎ネタバレ有⚠︎
@reads_hrk
2026年6月22日

ノモレ(新潮文庫)
国分拓
読み終わった
ペルーのアマゾン奥地で、かつて同族だったかもしれない先住民との接触を試みる現地民族の男性・ロメウを追ったルポルタージュ。
ロメウを起点に第三者視点で書かれており、また、日本に生きるわたしには馴染みのない生活環境なこともあり、フィクションのように読み進めてしまう。
文明化された社会に生きるわたし達は、こちら側に来ることが彼らにとっても幸せなのではと考える。
天候で寝食を左右されることなく、多くの怪我や病を克服し、安全で清潔な日々を送ることが出来るから。
同時に「先住民を守らなければいけない」と、使命感のような庇護欲を抱く。
全てこちら側の価値観で、それを彼等に「理解させる」というのは、恐らく傲慢なのだろうと思う。
だとしても、同じルーツを持つ人々の力になりたいと願う心を、傲慢と一括りにしたくない。
他者を思うその心が変えたものも、確かに存在するはずだから。
「与える側」と「与えれる側」で構築された関係性を、対等なものへと書き換えていくのは、とても難しい。
同じ国に生まれ、同じ言葉を話す日本人同士でも、一度築かれた関係を再構築するのは苦労を要する。
生活環境どころか、価値観も言語も違う相手となれば、諦めた方が互いのためのようにも思う。
それでも、川岸から呼びかける人は、どの時代でも絶えず存在するのだ。
ノモレ、ノモレ。友よ、友よ。
今日もその声はどこかの森に響いているのだろうか。