gato "Somebody Is Wa..." 2026年6月21日

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@wonderword
2026年6月21日
Somebody Is Walking on Your Grave
墓地巡りが趣味のエンリケスによる世界墓地紀行エッセイ。面白かった〜! 『秘儀』で結構ミーハーだろこの人と思ったのは正解で、このエッセイではバンドの追っかけ回顧録や有名人の墓探しなどでユーモラスにそのミーハーさが発揮されている。もちろん老いと死に向き合いながらスターを語るという哀しみがまとわりついてもいるけれど。 それにしても等身大(かそれ以上)の彫像が立ち並ぶカトリックの墓地って、日本人の目にはそれだけでアトラクションのようだ。南米には19世紀以降にイタリア系移民のブルジョア層が持ち込んだ慣習らしい。西洋文化圏ではオリジナルで抜きんでた墓を持つことへの強い憧れがまだ根強く残っていると知った。思わず小池寿子の『屍体狩り』を連想するような、耽美でナルシスティックな彫像が20世紀にもボコボコ建てられている。 明言はされないが、墓地を通じて裕福な移民と原住民の力関係を眺めるというのがテーマになっていると思う。権威の誇示としての墓所、ゴーストツーリズム、カタコンベに積まれた骨、軍事政権に拉致され墓を持つことすらできなかった〈行方不明者〉たちなどを、時に当事者、時に好奇心旺盛な観光客目線で語っていく。エヴァ・ペロンのエンバーミング遺体が辿った波瀾万丈な旅とそれにまつわる都市伝説もすごかった。アジェンデ『精霊たちの家』の最初の死体姦はこれが元ネタなんだろうか? エンリケス自身、日本人的にはギョッとするようなことをやらかしていたりするので、邦訳されたらどんな反応がでてくるか楽しみ(笑)。重たい歴史を扱いながらも笑えるエンタメ本でもあるので、この軽い読み口そのまま訳されるといいな。
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