
Sanae
@sanaemizushima
2026年6月24日
朝鮮植民者
斎藤真理子,
村松武司,
松井理恵
読み終わった
日本では「引揚者」という言葉は聞いても「植民者」という言葉はあまり聞かない。
「多くの植民者がいたにもかかわらず、いまその記録が近・現代史から欠落している。このまま放置すれば彼らの歴史は失われてしまうであろう。彼らを眠らせてしまうのはかまわないが、日本の現代の意味をつかむために、たいせつな歴史の支流を無視することになりはしないか、とおそれる。」(p5)
深く考えることなく、斎藤真理子さんの推薦ということもあって読み始めた本だったけど、読めて本当に良かった。朝鮮に移り住んだ人びとがどんな気持ちで暮らしていたのか。構成は作者は祖父からの聞き書きを基に記した本だが、それだけでなく、作者は3世としてどのように朝鮮人と接していたのか、考え、対峙していたのか。終戦を迎え日本に帰国し、振り返ってどのような心境に変化したのか。
朝鮮で3.1運動が起きたとき、著者の祖父は「きわめて静かであった」とだけ語っているそうだ。
それより前に起きた朝鮮軍人蜂起については、個人的な体験を生々しく語ってくれたにも関わらず。
著者は「彼の眼前からすでに朝鮮人像が消えたということ。」(p136)とひとつ理由を推測する場面がある。
蓋をし、多くの植民者に意図的に見えないようにする。今のイスラエルの行っている物理的なこととして、壁を作ること。それと同じなんじゃないか、と思った。
そういうことも今まで知ることも全くなかったので、大きな歴史の流れの中にあった個々人が生きてきたことを赤裸々に伝承し、そして斎藤さんをはじめ多くの方が戦後80年にこの本を復刊させたということは大きな意味があるように思う。








