"闇の公子 (ハヤカワ文庫 F..." 2026年6月24日

ぬ
@tanu-nu
2026年6月24日
闇の公子 (ハヤカワ文庫 FT 45)
闇の公子アズュラーンが人の世界に関わることで生まれた破滅を描くダークファンタジーオムニバス。アズュラーンは悪辣で気高い妖魔の王で、人外らしい気まぐれさで人界に関わっては禍いを落としてく傍迷惑な存在なんだけど、妖魔には妖魔の愛があるんだなぁ、という読後感だった。オムニバス形式ではあるのだけど、全ての話がアズュラーンを通して繋がっていて、最終的にはひとつの物語になっている。 で、とにかくですねぇ、このアズュラーンがそもそもめちゃくちゃ美しい妖魔の王という存在自体が耽美の化身みたいなやつなんですが、とても耽美な物語でしたね。退廃的でエロティックで非情であって耽美だった。刺さる人にはもの凄い刺さると思う。あと文章が耽美で、アズュラーンが紫の上した人間の少年を抱くときなんか、『永遠の時間が公子の求愛に味方し、測り知れぬ歓びが戦慄を伴って次々とこぼれかかり』とか『男根は塔であり、若者の内なる世界の都の門を、奥処を貫いた』とかで、最初読んだとき「た、耽美〜〜!!」と心の中で叫んじゃった。 破滅の物語とは言っても、淡々とした語り口のおかげもあってグロさはあまり感じず(やってることはかなり非道なんだけど)、胸糞!!みたいな印象もない。なんか不思議な口ざわりの物語だった。 あとアズュラーン、美しい人間が好きなんだけど、たぶん美しい男のほうが好きなんじゃないかな、通りすがりに美青年に口づけしたりするし(HENTAIだなって思った)。
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