
ぶんか遺産
@bunkasremains
2026年6月27日
倫敦スコーンの謎
米澤穂信
読み終わった
小市民シリーズ第6弾。
まずキャラクターの面から。シリーズの読破に1年以上かかっているため断言はできないが、小山内さんのキャラクターがかなりデフォルメされてきた印象。具体的には、言語以外のランゲージによる感情表現がかなり目立つ。米澤穂信が昔手癖で書いていたキャラクターを、熟練した今になって再現している(できるんだ......)からかな、などと勘繰ってみたり。まあ意図的ではなさそうだけれど。
続けて各短編の話。
「羅馬ジェラートの謎」は伏線自体は分かりやすく違和感があるものの、それを組み立てる手捌きがミステリとして面白かった。
一方で「倫敦スコーンの謎」はアイデアこそシンプルなものの、気づきの意外性とこの人物ならの説得力(本人は一言も喋ってないのに)が、まさしく「言われてみれば確かに」であり、日常の謎として好ましかった。
ただ、最初と最後があまりハマらなかった。「桑港クッキーの謎」は本当にそんなのわかるかよという感じだし、「維納ザッハトルテの謎」は概ね良かったが、最後にやはりいや知らないけどねという気持ちになってしまった。
全ての短編にハマれなかったからといって作品の評価が低くなるとは限らないけれど、連作を連作たらしめている部分が好みではなかったのが残念。それでも、安心して読めるクオリティではあったと思う。