
きらた
@kirata
2026年6月28日
レオナルドの沈黙
飛鳥部勝則
読み終わった
──あなたが名前を挙げる人物を、ここから思念で殺してみせる──
降霊会で霊媒師が突然告げた予告殺人
朝になり彼らが確認に行くと、全ての家具が外に出された状態の家の中で、宣言通りに男が縊死していた
霊媒師は如何にして男の死を知ったのか?
探偵·妹尾は彼らの証言を基に謎を追う
《序章》1文目から、“これ、仕掛けて来てるなぁ”と疑って読み始めるのはミステリ読みあるある
しかし、真相に辿り着いてみれば、疑いの目で読む読者を想定した上で、敢えてそう書いていたのだと思え、作者の“騙そうとの思いの強さ”に対し敬服に近い感情が湧く
(ただ、《終章》にて興醒めを起こす方が居てもおかしくはないだろうとは思った)
《序章》で疑わずに読んでいれば、道中感じる小さな違和ですら終盤できちんと解され、その真相に膝を打つだろうし、《序章》で疑い、道中の小さな違和に“やっぱりそうだ!”とニヤニヤしてる読者に対しては、ミスリードを振りまいていたとの小憎たらしさ(褒めてます)
最初に読んだ『堕天使拷問刑』に比べると、正統派なミステリに寄った感じがしましたが、〈今のこれが黒歴史真っ只中になるキャラがいるぞ〉感が何処となくあり、こそばゆいやらニヤニヤしちゃうやら
そういう面を絶妙な雰囲気に落とし込んで来るのは凄いなぁと感心してしまう
要(!?)のミステリとしてみれば、残念な事に竜頭蛇尾との感想になるだろうか
降霊会、思惑を秘めた人達、怪しげで尊大な霊媒師、突如告げられる予告殺人、奇妙な密室での縊死、現れる探偵、そして──
次から次へ誘い込まれるように、ページを捲る手は止まらない
読みやすい文体だけでなく、構成の妙‥興味の引かせ方や好奇心の突き方‥が上手いのだと思う
読み進めるほどに期待感が増して行く話なのだ
挟まれる《読者への挑戦》も、真相がわかった後に再度読むと、その正直さに唸り声をあげたくなるほど
しかし何と言うか‥期待値を爆上げしながらようやく辿り着いた《真相》を読んでいると、何故か感じる滑稽さに苦笑してしまい、魅惑的な謎が解明された時の爽快感があまり感じられないのである
解き明かされた真実が悪いのではなく‥言葉か合ってるかわかりませんが、バカミス感って言うんですかね?
それが、真相を知った(読んだ)時の驚き(爽快感)を超え、いうならば相殺してしまっていたのですね(私個人の感覚です)
それ故、尻窄みの不完全燃焼との印象になってしまい、あれ?あれれ?と首を傾げる読後感に
決して悪くはない作品なのですが、『堕天使拷問刑』に比べると‥って感じの作品でした
さて、次は何を買おうか‥

