
みゆこ.~.
@miUiko
2026年6月25日
EPITAPH東京
恩田陸
読み終わった
「人類にとって代わった別の生き物が東京の存在を発見した時、そこに刻まれているべき墓碑銘とはなんだろうか。」
歴史、小説、民俗学、シンボル、音楽、映画、絵画、文化など、
フルーツバスケットみたいに、〇〇といえば、で連想されるものと東京が次々と紐づけられていく。そしてそれを、作中の"筆者"が「epitaph東京」という作品の種にしていく、という小説。
まるでエッセイのようでいて、あくまでフィクション。
与えられる知識が膨大すぎて、大自然を前にした時と似たような感覚になった。思考が果てしない。
恩田陸さんは、この小説に出てくる吸血鬼みたいな人なんだろうか。まるで複数の生の記憶があるみたいな情報量だと思った。
さまざまな知識を紐づけながら物語を紡ぐ陸さんの脳内を覗いているみたいで、最後まで楽しく読めた。
途中、何だか語り口調が変わったなと思ったら、別視点に変わっていたのも、面白かった。
以下、読書メモ
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こけしは昔間引かれた子供の代わりだった。「産んでから間引くか産む前に間引くかの違いだ、産まないということも、最も効果的な間引きかもしれない。さまざまな手段で間引かれた子供たちの代わりに、巷にはペットやキャラクター商品が溢れる。」
▶︎確かに、ペットやキャラクター人気の背景に関わっていそう。
霊園は公園の一部という扱いらしい。初めて知った
種がびっしり詰まったざくろの実は、洋の東西を問わず、多産と豊穣のシンボルで、ヨーロッパでは不死のシンボル。種を信者になぞらえ、教会のシンボルとみなしたりする。
日本では仏教的シンボルであり、鬼子母神の話を連想させる。として、鬼子母神のはなしへ。
ざくろは観客に無意識のうちに母と子のドロドロとした話を想像させるかもしれない。
「好きなもの」は常に喪失の予感を帯びている。
神保町 九段下 古書の街
日本人の、すべての権威を「カワイイ」の名のもとに引きずり下ろす凄まじい握力には、恐れ多いのを通り越してもはや感心してしまう
昭和天皇の霊廟 105ページ
八幡八雲神社 日本には珍しいシンメトリーの神社。二つの神社が合祀されている。
ハッピーアワーは日本でいう逢魔が時
鼎談ていだん
飛行機が飛ぶ動力は本当のところ説明できない何かが作用している?
日本人の贈答論について、ものを贈ることによって自分の気が楽になるから。←同意
チャイコフスキーのピアノ三重奏曲。フルコースが終わってからも、えんえんチーズが出続けるような、こってりした長い曲
日本の鉄道の時間が正確になったのは天皇陛下の全国行幸がきっかけ?戦後の復興と高度経済成長の時期、産業を成り立たせるため?
実に涙ぐましいあの手この手のアイデア
星新一の「声の網」は個人情報を収集すること自体がコンピュータの目的になっていくという、先見性のあるSF作品
横尾忠則「東京Y字路」
日本の住宅街の路地に並べてある鉢植えは、観賞用というより結界ぽい。
「誰かのゴミは誰かのモンゴである。その逆もまた真なり。」
有名ファッション店のタグを本の栞にするのはいいなぁ
スコットフィッツジェラルドの小説、アメリカンドリームの話
映画「復活の日」
「ごりょんさん」になりたい。いわゆるマルチタスクな人間を指す言葉だろうか。
ふと、時代劇を観たくなった。その時の時代を映像で再現したもの。
都市あるところ大河あり
都市というのは、無数の煩悩を呑み込んでくれ、ただの無名の胃袋になってしまえる、ありがたい場所なのだ。
人間、自分が必要としないものは全く「見て」いないものである。
人はそれぞれ自分の地図を持っている。
人は街の中で無数の自分だけの星座を描いているのだ。
都市はサインに満ちているけれど、読み取れる人には読み取れるが、それ以外の人間にとっては何の意味もなく、視界にすら入らない。
▶︎ファストフード店を線で繋いでいる人が身近にいる。確かに、と思った
廃墟に対するデジャヴ。昔から災害の多い国。「フィクションの中で破壊しておくことで逆に永続性を祈念する」。日本人にとって、スクリーンの中の破壊は、「いつか見た光景」であり、「いつか見る光景」なのだ。
▶︎EveのMCの中で破壊される東京や、新エヴァで破壊されていた街を思い出した。
東京は、緑に覆われた、ミカドのお城。皇居の後ろの正面は、東京駅
東京の映像の象徴的風景
団地に始まる巨大な集合住宅。見知らぬ隣人と無数の匿名性が詰まった箱
東京は他の都市と比べて匂いしない、それを組織と管理の匂い、無機質さ、無味乾燥とうたう。
お風呂も、TVも、みんな、「あたし」だけのものにしちゃったんだねぇ。
なんでも、今の時代、人間は未だかつてないプライバシーを獲得したんだってね。
昔の銭湯は混浴だった?ざくろ口
ジャッカルの日(映画)
恐怖と笑いは紙一重、怖いものって、ある一点を超えると滑稽になっちゃう
スティーヴン・キング以降のホラーが面白すぎて怖くない
目撃情報や過去の記憶を再現して描く絵が怖い。仕事ひとすじで、絵なんか描いたことのない年配の人が、必要に迫られて初めて絵を描いてみた、そういうのが怖い
幽霊画も、怪談も、生きてる人のためのもの
どうして自分が生き残ったか、どうしてその人が亡くなったのか、納得したくて理由を考えて怪談になる
理由のない死にはいつの時代も耐えられなかったんだねぇ
幽霊でもいいから会いたいから、わざわざそういう場所に出かけて行く人もいる
お盆は死者を迎え、死者を送る。死者と神は同義語であり、神は常にどこか遠くからやってくるもの。
志賀直哉の「剃刀」
人間、死ぬ時は一人と決まっているのだから、「孤独死」というネーミング自体矛盾している気がするのだが。
探してみれば楽しい高齢単身者のモデルケースがいろいろあるのに、これまでクローズアップされてこなかったのは、国家が家族神話を必要としてきたからだろう
▶︎朝ドラに登場する女性主人公は必ず既婚者?
人生に優劣なんかないんだから、まっとうできたってことは幸せですよ
スピンオフの「悪い春」は、多分前に他の本で読んだ。エピタフ東京のスピンオフだったのか!鳥肌がたった。
ボランティアという言葉が人がやりたがらないことをあえてやる人、って意味だけど、元々は志願兵
「平和サポートボランティア」と称した徴兵制の話。年金受給資格を得るために、高齢で引きこもりの子供を抱えた親たちが代わりに志願してるという未来で、ボランティアという名目だから現地で死んでも慰謝料は出ないという噂とか、海外勤務を通して社会に復帰できるようになったとか、3人で語る話。