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みゆこ.~.
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@miUiko
  • 2026年7月5日
    旅行者の朝食
    旅行者の朝食
    元ロシア語通訳の著者によるグルメエッセイ集。食にまつわる歴史や文化を知れて面白かった。 実は現代のフランス式給仕(前菜から順に一皿ずつ)はロシアでの伝統的な食べ方を取り入れたものであるとか、 ちびくろサンボの舞台は実はインドで、虎のバター入りホットケーキは原作では虎からできたギーのたっぷり入ったナンだとか。 食べ物が出てくる童話の解説も兼ねていることもあり、民俗学本ぽいところもあって、知識もつく良本。 (おむすびコロリンから、水田稲作の伝統と日本人の根強い横並び意識につなげていたり、など。) 日本のレストランも出てくる。グルメな人の情報は信頼できるのですべてメモした。 -------------以下自分用メモ イラン、アフガニスタン、トルコのいずれかで、職人の手で直に作られるハルヴァ(ヌガーの上位互換のようなお菓子)を食べてみたい。 トマトやじゃがいもが日本の常食になるのは戦後、豚や牛の肉は明治以降。 味覚は保守的なはずだが、飢餓や生命の危機、好奇心などをきっかけに、おいしさに気づくと馴染みのない食材もあっという間に普及していく歴史がある。 ロシアでは、じゃがいもは悪魔の申し子だという噂から、食べたら死んでから地獄に落ちるかもしれないと恐れてられていた歴史があるそう。 見た目や、種から発芽するのではなくクローン型の増殖をする様子から気味悪がられていたのだとか。 コロンブス交換による食文化への影響は凄まじい。
  • 2026年7月4日
    日経サイエンス2026年5月号
    東大研究者の研究環境に関するインタビューが印象的だった。給与から生活待遇まで、日本よりはるかに条件が良く、総額で3倍程度になったのだとか。優秀な研究者がどんどん海外に引き抜かれている実情に悲しくなる。 高市政権が、国際頭脳循環推進を掲げているものの、財政も悪いので、すぐに他国と肩を並べられるとは思えない...。 載っている研究はもちろんどれも面白い。25年前の教科書には、RNAは3種類で構成されているとされていたが、今では数百、数千の別タイプが存在すると言われているらしい。 科学の進歩は目まぐるしい。 以下、自分用の面白かった研究や新知識メモ 5000年前から氷に閉じ込められていた古代の細菌が10種類の抗生物質に対して耐性をもつことが発見され、地球温暖化で融解が進むと、そういった耐性がついた細菌が発生する恐れがある一方、新薬開発の手掛かりでもあるらしい。 古くから妖精や幽霊とされてきた鬼火は、マイクロライトニングというらしい。水面の表面の電荷の違いによって自然発生するとのことだが、そもそもなぜ水滴の表面に強い電波が生じるのか、など詳しいメカニズムはわかっていない。 ホッキョククジラ細胞には、損傷したDNAを修復する力がヒト細胞より高く、がんを引き起こす変異自体が生じにくい傾向にある。低音誘導性RNA結合タンパク質が関係しているとのこと。
  • 2026年7月4日
    Newton (ニュートン) 2026年 5月号
    最新研究やニュースがコンパクトにまとめられている雑誌。知的探究心が刺激されるので定期的に読みたい。 バニラの香りを嗅ぐと映像を早く感じるとか、 古代エジプトのミイラにコショウが詰められていたとか、ウマは単一種だが500種以上存在していて、普段見慣れている競走馬とは全然見た目の違う種類がいるとか、ブラックホールには"冬眠"するとか。 太陽光で水素をつくる「人工光合成」が、次世代燃料として注目されているとのこと。 基礎研究から応用研究へのつながりもわかるので、面白い。
  • 2026年7月3日
    人間椅子
    人間椅子
    途中から不穏な流れになって、終盤にうわー!やっぱりそうかー!と身の毛がよだち、気持ち悪さに耐えながら最後まで読み切ると、すとん、と綺麗に落ちる、短編なのに満足度の高い作品だった。 あれ、でもなんで夫人の部屋や入手経路がわかるのだろうか?と、ふと思った。
  • 2026年6月28日
    研究留学のすゝめ!
    研究留学のすゝめ!
    研究留学を検討している人の導入本。 留学先選びや準備から、留学後の進路まで、幅広く事前知識をつけることができる。 話を広げるコツまで載っている。天気デッキは万国共通とのこと。 マナーとして紹介されていた、アイコンタクト、笑顔や、ネガティブな言動は周囲に毒を振りまいているようなものだから控えること、お会いする方の経歴、顔、名前を覚えることなど、研究留学に限らず大切にしたい。 度々学問のすゝめが引用されているのだが、100年以上前の著書にもかかわらず、あらゆる事柄の教本だなと改めて感じた。 以下、自分用メモ📝 留学先選びは、論文を見て。ただし、中堅に入りつつあるPIを見極めるには論文では判断できないためツテをあたる必要あり。 ラボ選びには、発表論文の掲載雑誌(高IFばかり、中堅以下の雑誌が主体のラボ)や共著者の数、論文のAcknowledgements の研究資金情報、OG/OBの進路などからどのようなラボなのか読み解く。毎年の論文数/研究室メンバー数をチェック。自身のcv、linkedin、researchgate, google scholar citation の情報を更新しておく。 オファーを勝ち取るためには、ラボへの熱意と自身の研究がもたらす影響について簡潔に書いたり、引用回数などを示す。 自分主導で研究する経験、論文を読んで感じた疑問を検証可能な疑問に落とし込み、実験を計画・遂行し、結果を解釈し論文を書く一連の作業の実践が、重要 That’s genetically imprinted on me 日本でのアカデミア、企業のポジションへのアプローチのしかた、海外でどのようにすればPIになれるのか 山中伸弥教授が、日本人は、器用さ、勤勉さ、創意工夫、チームで取り組む力など、研究者として重要な素質を備えている人が多いと言っていた 怖れず面識のない方にもコンタクトする 帰国後貢献できること 研究•教育の国際化 制度や組織の設計•改革 海外とのコネクション 各国のStart up グラント ⭐️海外でポスドク経験を積んで母国へ戻る研究者の受け入れを積極的に行うために、どのような支援を進めるべきか フランスでは、PIは国家公務員。 研究資金 応募資格に現在のポジションは問わず、申請時点で研究室に所属がなくてもok ▶︎チャンスが多い 海外では、大学、ベンチャー企業、大企業の距離がとても近い アカデミアと企業のパートナーシップ、企業が共同研究のスポンサーになる動きが強まってきている 優先順位をつけて、必要なことに必要な時間を割り当てること アカデミアで働く良さ •研究内容、スタイルの自由度 •実験、研究に没頭できる •新規制が評価されやすい •教育 •学会にでやすい アメリカでは、大学院生にはResearch assistant としたの給料が支払われ、授業料を払う必要がない※研究業績が悪かったら退学 PIからの推薦状 アメリカのポスドクは公聴会の半年以上前に内定をもらい、そこからフェローシップの締切から逆算して公聴会日を決める(就職に不利なので卒ラボに居残ることはしないようにする人が多い) ラボの空き状況は、LinkedIn以外にも、Glassdoor、Naturejobsが活用されている NIH金曜会 Japanese Association of Scientists in Singapore 情報交換の場の提供、セミナーの月一開催
  • 2026年6月26日
    未来の科学者たちへ
    未来の科学者たちへ
    日本の研究環境が、国家、JSPSなどの研究費配分機関の動向や、海外との比較により研究者視点でわかりやすく解説された著書。 主に、基礎研究が軽視される傾向にある状況への警鐘、科学をより身近に感じてほしい、自由で楽しいものであることを知ってほしいという願いが綴られていた。 「科学の価値も、芸術やスポーツなどと同じように、役に立つかという視点ではなく、未知のことが解明されることを人類の共通の資産として純粋に楽しむ社会であって欲しいと思う。」 この世の中は常に役に立つかどうかが問われ、研究にもそれが持ち込まれるが、それは長い年月の後に検証されるものであり、基礎研究の軽視は、日本の研究力低下に関係してしまう。 大隅先生は、純粋に興味をもったものを研究し続けた結果、がんや生活習慣病、アルツハイマーやパーキンソン病など様々な疾患に関わることがわかり、創薬研究も進められることになったと説明。 また、例えばコロナウイルスに対するワクチン開発は、わずか一年で行われたように見えるが、実は10年ほどの基礎研究がなされていたのだとか。 未来への投資として、すでに大きく展開されている素晴らしい研究だけでなく、将来大きな天才を見せそうな萌芽的な研究を社会全体でサポートされるシステムが必要なのだと、理解できた。 また、学術界に限らず、一般社会においても参考になる話が多かった。 •他を知ることによって自己の位置を測りなおす以外に、自己を相対化する方法はないのである。 •もし、人の仕事を自分の仕事として受け止め、考えるならば、その発表を聞いて質問がないということはありえないはずである。 •日々の生活の豊かさ、世界の見え方の余裕こそ、すぐに「役に立つ」ことにも増して、我々が限られた〈生の時間〉を生きていく上で、より大切ではないかと私は考えている。 自分の凝り固まった感性へ揺らぎをもたらすために、他者との交流を絶やさないこと、 人と話をするときに質問をすることは常識であること、 効率や利益に捉えられてばかりでは真に「豊か」とは言えないということ。 これらは研究者ではない自身に対しても日々心がけるべきことだと感じた。 以下、自分用メモ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 役に立つことをやらなくてはと言う発想と地続きで、失敗せずにやらなくては、という考えに囚われた若者が多いが、「失敗をする、イコール、その人がダメというわけではない」、「どれだけ失敗から学んだかが、その後の成功に正しく反映されていく」、「失敗は別に推奨されるものでもないけれど、一般社会と違って、研究者の世界というのは、失敗に意味がある」 「人生100年になったんだから、もっともっと回り道をして欲しい」 研究者の人たちがやりたいことに熱中できる環境づくりをしていきたい 小柴昌俊先生はノーベル賞を受賞したときに「その研究はなんの役に立つのですか」と聞かれて、「何の役にも立ちません」と答えた。 コロナワクチン開発競争で日本が遅れた事例から、企業で基礎研究力への注力が減らされていること、国から大学の研究者に与えられる研究費の偏りの議論を展開していく。 資金配分を今「役に立つ」「役に立たない」で判断してしまうと研究推進は成り立たないし、例えば防災など本当に必要な時に力を発揮できない おもしろい科学者は専門外のことを話しても何にでも興味を持っているらしい。 「失敗の理由を考え、その意味を問い直してみると、常に次の問いが出現するものである。」 「大股で歩く、抜けた要素の証明は自分たちがやらなくても必要ならば誰かやる人が後で出てくるはず」 Chance favors the prepared mind 「役に立たなくとも、真実というものがあるのなら、少しでもそれに近づきたい。ここに人間の本性があり、サイエンスの根幹がある」 「昨日まで正しいと思われていたことが、今日、ひっくり返る可能性もある。」 「すべてが約束されていない偶然の積み重ねが人生であり、その折々にベストを尽くせばいいのではないか」 「非効率的な時間が、「知りたい」という欲求を育てる、興味や好奇心を膨らませる大切な役割を果たしていたのだと思う」 無駄をなくし、情報をできる限り網羅していく姿勢は必要だけれども、やりたいと思う研究の規模が小さくなっていくことには危うさを感じる。試行錯誤を繰り返していくプロセスの中にこそサイエンスのさ喜びがある 隙間を埋めて論文が一本書ける能力と、オリジナリティを発揮する能力とは違うのである。 とはいえ、やむを得ないところもある。背景には、結果を出さないと職を得られない状況があるから。 短期間で何らかの成果を出さなければならないということが、大きな発見に繋がる成果は逆比例するのは、当然の帰結である。 近代以前は、科学は貴族や僧侶などによって行われていた 研究に割ける絶対的な時間の不足による、日本の研究力の低下も文科省の調査で判明している 本の中では、研究者の多様性についても触れられていて、例えば東工大で行われている「ファーストジェネレーション枠」というのは、両親が大学卒でない高校生に進学の機会を増やす試み。「大隅良典記念奨学金」システムの一つで、現在は卒業生を含めた多くの人たちからの寄付によって支えられている Curiosity Driven 人々の科学に対する敬意を肌で感じた。100年以上の歴史を誇るノーベル賞を通じて、スウェーデンでは、科学が市民の間で身近なものになっていることを感じた。 海外を見ると、個人の棋譜を基盤とした巨大な研究施設が、臨床のみならず、基礎的な研究でも大きな役割を持っている例が多数ある(セントジュード小児病院など) ▶︎日本の財団は? 武田科学振興財団など、あり。大隅先生も、大隅財団を立ち上げた。 大隅先生は、本の中で繰り返し、応用研究に繋がらない基礎科学は研究費をなかなか得られないと述べられた 研究の発展に必要な条件は、研究費と適性を持った人材 研究費が得られなくなると、研究成果が得られなくなって、次の研究費も得られなくなる
  • 2026年6月25日
    EPITAPH東京
    EPITAPH東京
    「人類にとって代わった別の生き物が東京の存在を発見した時、そこに刻まれているべき墓碑銘とはなんだろうか。」 歴史、小説、民俗学、シンボル、音楽、映画、絵画、文化など、 フルーツバスケットみたいに、〇〇といえば、で連想されるものと東京が次々と紐づけられていく。そしてそれを、作中の"筆者"が「epitaph東京」という作品の種にしていく、という小説。 まるでエッセイのようでいて、あくまでフィクション。 与えられる知識が膨大すぎて、大自然を前にした時と似たような感覚になった。思考が果てしない。 恩田陸さんは、この小説に出てくる吸血鬼みたいな人なんだろうか。まるで複数の生の記憶があるみたいな情報量だと思った。 さまざまな知識を紐づけながら物語を紡ぐ陸さんの脳内を覗いているみたいで、最後まで楽しく読めた。 途中、何だか語り口調が変わったなと思ったら、別視点に変わっていたのも、面白かった。 以下、読書メモ ーーーーーーーーーーーーーーーー こけしは昔間引かれた子供の代わりだった。「産んでから間引くか産む前に間引くかの違いだ、産まないということも、最も効果的な間引きかもしれない。さまざまな手段で間引かれた子供たちの代わりに、巷にはペットやキャラクター商品が溢れる。」 ▶︎確かに、ペットやキャラクター人気の背景に関わっていそう。 霊園は公園の一部という扱いらしい。初めて知った 種がびっしり詰まったざくろの実は、洋の東西を問わず、多産と豊穣のシンボルで、ヨーロッパでは不死のシンボル。種を信者になぞらえ、教会のシンボルとみなしたりする。 日本では仏教的シンボルであり、鬼子母神の話を連想させる。として、鬼子母神のはなしへ。 ざくろは観客に無意識のうちに母と子のドロドロとした話を想像させるかもしれない。 「好きなもの」は常に喪失の予感を帯びている。 神保町 九段下 古書の街 日本人の、すべての権威を「カワイイ」の名のもとに引きずり下ろす凄まじい握力には、恐れ多いのを通り越してもはや感心してしまう 昭和天皇の霊廟 105ページ 八幡八雲神社 日本には珍しいシンメトリーの神社。二つの神社が合祀されている。 ハッピーアワーは日本でいう逢魔が時 鼎談ていだん 飛行機が飛ぶ動力は本当のところ説明できない何かが作用している? 日本人の贈答論について、ものを贈ることによって自分の気が楽になるから。←同意 チャイコフスキーのピアノ三重奏曲。フルコースが終わってからも、えんえんチーズが出続けるような、こってりした長い曲 日本の鉄道の時間が正確になったのは天皇陛下の全国行幸がきっかけ?戦後の復興と高度経済成長の時期、産業を成り立たせるため? 実に涙ぐましいあの手この手のアイデア 星新一の「声の網」は個人情報を収集すること自体がコンピュータの目的になっていくという、先見性のあるSF作品 横尾忠則「東京Y字路」 日本の住宅街の路地に並べてある鉢植えは、観賞用というより結界ぽい。 「誰かのゴミは誰かのモンゴである。その逆もまた真なり。」 有名ファッション店のタグを本の栞にするのはいいなぁ スコットフィッツジェラルドの小説、アメリカンドリームの話 映画「復活の日」 「ごりょんさん」になりたい。いわゆるマルチタスクな人間を指す言葉だろうか。 ふと、時代劇を観たくなった。その時の時代を映像で再現したもの。 都市あるところ大河あり 都市というのは、無数の煩悩を呑み込んでくれ、ただの無名の胃袋になってしまえる、ありがたい場所なのだ。 人間、自分が必要としないものは全く「見て」いないものである。 人はそれぞれ自分の地図を持っている。 人は街の中で無数の自分だけの星座を描いているのだ。 都市はサインに満ちているけれど、読み取れる人には読み取れるが、それ以外の人間にとっては何の意味もなく、視界にすら入らない。 ▶︎ファストフード店を線で繋いでいる人が身近にいる。確かに、と思った 廃墟に対するデジャヴ。昔から災害の多い国。「フィクションの中で破壊しておくことで逆に永続性を祈念する」。日本人にとって、スクリーンの中の破壊は、「いつか見た光景」であり、「いつか見る光景」なのだ。 ▶︎EveのMCの中で破壊される東京や、新エヴァで破壊されていた街を思い出した。 東京は、緑に覆われた、ミカドのお城。皇居の後ろの正面は、東京駅 東京の映像の象徴的風景 団地に始まる巨大な集合住宅。見知らぬ隣人と無数の匿名性が詰まった箱 東京は他の都市と比べて匂いしない、それを組織と管理の匂い、無機質さ、無味乾燥とうたう。 お風呂も、TVも、みんな、「あたし」だけのものにしちゃったんだねぇ。 なんでも、今の時代、人間は未だかつてないプライバシーを獲得したんだってね。 昔の銭湯は混浴だった?ざくろ口 ジャッカルの日(映画) 恐怖と笑いは紙一重、怖いものって、ある一点を超えると滑稽になっちゃう スティーヴン・キング以降のホラーが面白すぎて怖くない 目撃情報や過去の記憶を再現して描く絵が怖い。仕事ひとすじで、絵なんか描いたことのない年配の人が、必要に迫られて初めて絵を描いてみた、そういうのが怖い 幽霊画も、怪談も、生きてる人のためのもの どうして自分が生き残ったか、どうしてその人が亡くなったのか、納得したくて理由を考えて怪談になる 理由のない死にはいつの時代も耐えられなかったんだねぇ 幽霊でもいいから会いたいから、わざわざそういう場所に出かけて行く人もいる お盆は死者を迎え、死者を送る。死者と神は同義語であり、神は常にどこか遠くからやってくるもの。 志賀直哉の「剃刀」 人間、死ぬ時は一人と決まっているのだから、「孤独死」というネーミング自体矛盾している気がするのだが。 探してみれば楽しい高齢単身者のモデルケースがいろいろあるのに、これまでクローズアップされてこなかったのは、国家が家族神話を必要としてきたからだろう ▶︎朝ドラに登場する女性主人公は必ず既婚者? 人生に優劣なんかないんだから、まっとうできたってことは幸せですよ スピンオフの「悪い春」は、多分前に他の本で読んだ。エピタフ東京のスピンオフだったのか!鳥肌がたった。 ボランティアという言葉が人がやりたがらないことをあえてやる人、って意味だけど、元々は志願兵 「平和サポートボランティア」と称した徴兵制の話。年金受給資格を得るために、高齢で引きこもりの子供を抱えた親たちが代わりに志願してるという未来で、ボランティアという名目だから現地で死んでも慰謝料は出ないという噂とか、海外勤務を通して社会に復帰できるようになったとか、3人で語る話。
  • 2026年6月14日
    死神の精度
    死神の精度
    短編だけど、最後まで読むと繋がりがあって面白い。どれも面白かったが、特に、最後のお話が好きだった。死神と藤田は、「陽気なギャングが地球を回す」読了後のような爽快感のある作品だった。読み終えた後すぐに、The Rolling Stones のブラウンシュガーとロックスオフを聴いた。 死神が主人公の作品。とはいっても、人間へ「死」をもたらす事象は、 「調査を行い、「死」を実行するのに適しているかどうかを判断し、報告をする。それが私の仕事だ。」 「判断基準は個人の裁量に任せられているので、この調査制度は儀式的なものに近く、よほどのことがない限りは「可」の報告をすることになっている。」 「実際のところ、どういう基準を持って、どういう方針に沿って、対象の人間を選び出しているのかは、私にもわからない。部署が違う。私はその部署の指示に基づいて、仕事をするにすぎない。」 といったふうに、慣例的かつお役所的な仕事として描かれている。 私は公務員寄りの仕事をしているので、縦割り組織と、「状況が変わることが多々あるし、人間の思惑や考え方は常に変化する」ので、「ガイドラインに沿った回答しかできない」、という設定に親近感がわいた。 一方で、私たちの生死をそんな適当に決められてたら困るなぁとも思ったけれど、 とかいう私も「仕事」において、全てにおいて懇切丁寧にできているわけではないな、とも思うなどした。 そんな感じで、死神だが、不思議と遠すぎる存在には感じない。むしろ、人間であるように読み進められるのだが、時折、「また、刃物を使おうとしている。芸にバリエーションがない。」と言ったりするので、あ、人間じゃないんだった、と引き戻される感覚があって、それもまた心地よく、楽しかった。 死神の視点を通して、あらためて人間を客観視できた(異化効果というらしい)。とても面白かった。「死神の浮力」も読みたい。
  • 2026年6月11日
    ライオンハート
    読書を続けているのは、こういう物語に出逢うためだったと、喜びが溢れた。タイムトラベルテーマのひたすらに多面的な作品。映画を読んでいる、みたいな不思議な感覚。 "エリザベスの始まり"を知った時、涙が溢れた。どうやったらこんな構成を思いつくのだろうという感嘆と、人類の長い歴史の中でそれぞれの人生が紡いできた果てしなく壮大な物語たちに思いを馳せたから、だと思う。 特にイヴァンチッツェの思い出は、構成が面白くて読み返した。 青空の下、煙が立ち込める中、人生の喜びも痛みも何もわからない子供たちが恐怖に目を血走らせながら次々と倒れていく、時代も描かれる。 戦争の横に、変わらぬ人々の暮らしも存在しているという、普段生きている間は意識することのないことを教えられた感覚もあった。 「どこかに人類全体の巨大な意識の流れのようなものがあって、個人の意識はその流れの表面にぷくりと浮かんでは、弾けて消える。今こうして存在している世界そのものが、その巨大な意識が見ている壮大な夢なのかもしれない。」 20世紀ロンドンの話も、面白かった。「生きる意味」を他者に見出したり、実現されないことについて「妻を傷つけた罰」、「定められた運命の一つ」といった、自己暗示をかけたりしていたけれど、実は...。というお話。 「これが今まで生きてきた意味だ」と思える出来事ってとても魅力的だけれど、ある種自己暗示的でもある、というか。隠された事実だってあるかもしれないし、表面的な事柄だけで判断しきれない、思い込みでどうとでも自分の中の過去も真実は変えられるのではないか、そう思った。 また、お互いが惹かれる場面で、年をとっても、知性と感性が若々しくきらめいている人、といった表現がされていたけれど、そうなりたい。思慮深く、思いやりに満ちた顔になりたい。 あとがきで、タイトルや年号、オマージュについて事細かに記載があって贅沢だった。英国王室史と紋章学の著書を読みたくなった。 解説 梶尾真治さんの、執筆を「自分が自分であり続けていることを確認するために、想像力を文字に置きかえる作業」という表現に惹かれた。そして、「なつかしさ」に焦点を当てて、オマージュ元を推察しながらどこから来る感覚なのか紐解いていかれる、流石作家さんだ、と思った
  • 2026年6月7日
    白鳥とコウモリ
    出来上がっていくジグソーパズルを見ている感覚になった。まず全てのパズルのピースを並べて、コアになるピースを少し整理してから、端からカチ、カチとはめ込んでいく感じ。 最後、全ての真実が明らかにされた時、動悸がした。実際、後半を読み進めていく中で真実に辿り着かないほうが良いのでは、と思った。だが、終盤頬を叩かれたような感覚を抱いた。 一度ボタンを違えたことによって生じた歪みが複数の人間の人生を狂わせ、その因果が返ってきたという展開により、時に美談として扱われがちな「情」の扱い方と、都合が悪いからという理由で蔑ろにされがちな「真実」に向き合うことへ、自身の強い意識が向くのを感じた。 また、人殺しの血を継承してしまって良いのだろうか、と口にする相手に伝えた、 「先祖を辿れば人殺しの一人や二人はいると思います。昔は戦争だってあったわけだし」という台詞も印象的だった。 意識したことはなかった。今も世界のどこかで戦争が行われている。世代を超えて受け継がれる「復讐」の種は、今こうしている間にも撒き散らされ続けている。罪と罰の問題ってどこまで継承されるべきものなのだろう、と考えさせられた。 野次馬の加害者家族に対する嫌がらせ行為も、十分に「罪」に値するのではないか、とも思った。小説内では、その影響で、歪んでしまった人生があった。それは、作品内で加害者側にとっての「罰」としても描かれていたけれど、公にされている情報が正しいとは限らないし、ほんの一部な以上、無関係な人たちからの糾弾は本来「罰」として許容されるべきものではない。(けれど、この「糾弾」は人類の歴史上、SNSが普及する前からずーっと存在している事象であることも重々承知している) さらに、与えられた情報から勝手に殺人犯へ同情する声などという見当違いな社会の声の描写もあったが、この話の中で言えば「更なる殺人の助長」になり得ることであることからも、誹謗中傷含め野次馬の行動はある種「殺人への加担」にもなりうると言っていい。 表題が最後のピースだった。白と黒で、「と」が灰色なのもいい。正義と悪が表裏一体なことはよく描かれるテーマだが、この小説で描かれる事件のように、被害も加害も、実際のところ白黒はっきりしているとは言いきれない部分もあるよなぁと考えるなどした。(もちろんどんな理由であれ殺人は許されるべきではないが)
  • 2026年5月31日
    未必のマクベス
  • 2026年5月31日
    世界99 上
    世界99 上
  • 2026年5月31日
  • 2026年5月31日
    BUTTER
    BUTTER
  • 2026年5月31日
  • 2026年5月31日
    漁港の肉子ちゃん
  • 2026年5月31日
    アンソーシャル ディスタンス
  • 1900年1月1日
    パッキパキ北京
  • 1900年1月1日
    にんじん
    にんじん
  • 1900年1月1日
    生きて行く私
    生きて行く私
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