
ジクロロ
@jirowcrew
2026年6月30日

嘘の効用 上
川島武宜,
末弘厳太郎
読んでる
ですから、「法」がむやみと厳重であればあるほど、国民は嘘つきになります。卑屈になります。「暴政は人を皮肉にするものです」。しかし暴政を行いつつある人々は、決して国民の「皮肉」や、「嘘つき」や、「卑屈」を笑うことはできませぬ。
なぜなれば、それは彼ら自らの招くところであって、国民もまた彼らと同様に生命の愛すべきことを知っているのですから。
とにかく、「法」がひとたび社会の要求に適合しなくなると、必ずやそこに、「嘘」が効用を発揮し始めます。事の善悪は後にこれを論じます。しかしともかく、それは争うべからざる事実です。
(p.40)
実生活で嘘をついたのでこの本を手に取る。
法に関する本だというのは意外だった。
自衛隊も同性婚も、日本国憲法を読む限りではどう考えても許していない。
「解釈」というものは着ぐるみのようなもので、その中身は嘘であることもある。
法よりも人間のほうが、いろんな意味で「思いやり」があり多彩であり創造的であり、むしろそれを試みるために法があり、「赦される嘘」というものが泉のように創造されていくのかもしれない。
法は「愛」というものを目的として入れているものもなくはないとは思うけど、「愛すべき」という何とも表現しがたいものは織り込まれていない気がする。
「国民の「皮肉」や、「嘘つき」や、「卑屈」を笑うことはできませね。」
そうかな、それらを笑わなければ、いや、笑って赦してあげなければ、自分が救われないし自分自身で笑えない「法」みたいな固形物になってしまうのではないかな、と思う。
「嘘をつく」というよりも、「芝居をうつ」という方が、救いがある気がする。

