
ジクロロ
@jirowcrew
2026年7月1日
読んでる
親族呼称の秩序は中央から引き裂かれ、誰も彼もが名前のない肉のうちに没し、体液の沼に沈んでゆく。親族呼称のない世界は、固有名もなければあだ名もなく、呼び名というものがありえない世界であり、昼夜の区別のない「夜」だけが延々と続く。つまり、言葉はやむことのない叫びや叩きに撒き消され、人物は誰後の識別が不可能になった肉塊に呑まれ、もはや誰一人として誰からも識別されることがない私たちが「器官なき身体」を人類が生きた段階として考える際には、まさに以上のような恐るべき夜の世界を想像するしかない。
(第三章 器官なき身体と強度的な夜の記憶)
これは中上健次の小説の直接的な書評ではないかと疑う。
中上健次の小説は「器官なき身体」をかたちにしたものと言えるのでは。
プラトーと愉楽をむすぶのは、「千」という数えきれなくもないが、生理的な目眩を誘う数であるということ。

