読書日和 "私、山小屋はじめます" 2026年7月1日

私、山小屋はじめます
日本百名山・光岳(てかりだけ)の山小屋管理人に、32歳でなると決意してからの4年間の挑戦の日々。 私も「50歳になったら会社員を辞めて、お風呂にも入れるような山小屋で長期バイトをしてみたいなぁ」とぼんやり夢見ている。そんな矢先、山小屋で働いているのに白髪ばかり気にしている夢まで見てしまい(笑)、「やっぱりハードル高いよなぁ」と思っていたところだった。 そんな中、この本の著者は思い切って小屋番に飛び込んでしまう。 しかも舞台は南アルプス深南部の光岳。登山口から小屋まで10時間近く歩かなければたどり着けないような場所。「後先考えず応募した」という一文には驚かされた。 ところが、小屋番になってからも試練の連続。1年目はコロナ禍で全面休業、2年目はスタッフ全員が新型コロナに感染して夏の営業が中止、3年目は豪雨で登山口へ向かう林道が土砂崩れ……。読んでいるこちらまで「ああ……」と声が漏れるほど大変だった。 コロナ禍の登山事情も思い出した。山小屋は人数制限で快適だった一方、その後は登山人口が増え、今度は予約が取りづらくなった。あの数年間を山小屋側から見ると、こんなにも苦労があったのかと改めて知る。 山小屋は、ただ泊まる場所ではない。山の中で雨や寒さから登山者を守り、限られた環境で少しでも快適に過ごせるよう工夫を重ねてくださっている。そのありがたさを改めて感じた。 夏山シーズン到来。光岳はなかなか簡単には行けないけれど、次に山小屋へ泊まるときは、今まで以上に感謝の気持ちを持って一夜を過ごしたいと思った。
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