本葉風路 "プレゼント" 2026年7月1日

本葉風路
@homba223
2026年7月1日
プレゼント
プレゼント
伊坂幸太郎,
宮部みゆき,
恩田陸,
梨木香歩,
江國香織,
町田そのこ,
米澤穂信
7月1日読了。  小説の入り口にというコンセプトらしく、非常に読みやすくまた作家陣も豪華で面白い。ジャンルも様々で、短編なので読み口も軽い。人におすすめしやすい本といえるだろう。特に気に入ったのは『二つの宇宙』『無明』『見越しのマツ』の三つ。  『二つの宇宙』は主人公の祖母が非常に印象的だ。我儘で鮮烈、偏屈だけれど多くの知識を蓄えている。戦前生まれの御令嬢がそのまま歳を取ったといった風流さがある。それに振り回されながらもどこか誇らしげな主人公と、これまた少し変わった恋人の茉莉加。三人を描きながら、夏休みの夕暮れのような切なさを感じさせてくれる作品。  『無明』は現代社会の欠陥、弱者救済の機能不全を描いた作品だ。正直にいうと最初は意図が露骨で説教臭くあまり乗れなかった。しかしラストで主人公(?)の山本幸恵が秘蔵宝鑰を引用したシーンで一気に奥行きが出たように思う。彼女を単なる犠牲者として描かず、知識と教養を見せたところを評価したい。もしかしたら東方ファンだっただけかもしれないが、それはそれでアリ。 『見越しのマツ』も序盤はまた説教話か? と辟易したが、全然そんなことはなかった。いわばこれは許しの話であり、再起の話である。見越しのマツとはよく言ったもので、マツはずっと彼らを見守っていた。  他にも某"財団"を思わせるような作品であったり、面白い短編揃いだった。是非とも第二弾を期待したい。
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