
昼寝ねこ
@hiruneko
2026年7月2日
犬がいた季節
伊吹有喜
読書メモ
感想
三重県の進学校で飼われていた犬の実話をベースにした物語。起点となる優花と光司郎の物語から、この犬のコーシローと関わった代々の生徒たちの切ない青春物語が繋がっていく。切なくはあるがすべての物語に希望がある。物語の大きなテーマが希望なのだ。生徒たちが希望を持って卒業していき、大人になって母校に集結するエンディングに泣けた。もちろん卒業生全員が成功するわけじゃないけど全ての人が幸せであれと願いたい。ラストに優花と光司郎の物語が成就する。『本当に、本当に、好きだったんだ』高校生の光司郎の思いが甦ってきた。
日本には元号があり日本人はその元号に特有の匂いを感じる。明治の匂い、大正の匂い、昭和の匂い、平成の匂い。自分の人生体験、両親や祖父母の昔語り、本や映像の記録などで見知った経験知識を通してその時代の匂いを感じるのだ。この物語には平成の匂いが色濃く漂っている。他の強烈な時代に比べて少し匂いは弱いかもしれないが確かに匂いはある。平成に青春時代を送ったすべての人に読んで欲しいと思う。(青春に年齢はないので、つまり全世代の人に読んで欲しい😌)


