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昼寝ねこ
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@hiruneko
『Reads』では過去に読んだ作品を再録しています。(新しく読んだ本のレビューは別な読書アプリ『読書メーター』に記録しています) Readsと読書メーターではタイムラインに流れてくる本がかなり違うのが面白いです。読メはベストセラーなどのメジャーな本が多いけどReadsはちょっとマニアックな本が多いかな😄
  • 2026年9月28日
    追憶の鑑定人
    追憶の鑑定人
    最後の鑑定人シリーズの第3作は4本の短編集。今作では土門誠の大学時代の旧友が登場する。あの土門に心を許せる親友が3人もいたことにビックリ。そして過去を知る親友を通して冷血人間の土門にも人間的な一面があるのがわかってくる。もちろん本筋は土門の卓越した鑑定技術で真実を突き止めるスタイルなのは同じ。過去作の登場人物に加えて少しづつキャラが増えて土門ワールドが充実していくのが嬉しい。最終話の『灰色の追憶』がサスペンス風味濃厚で良かった。このシリーズはまだまだ続いてほしい。
  • 2026年9月25日
    君が手にするはずだった黄金について
    『地図と拳』で直木賞『君のクイズ』で日本推理作家協会賞を受賞した小川哲さんの哲学的自伝的私小説エッセイ風短編集(そういうジャンルがあるのかわからないけど😅)東日本大震災前日の3月10日に拘ったり、嘘や偽物の存在に嫌悪したりと、小川さんの頭の中や普段の生活をチラ見させしてくれて面白かった。怪しい人物に関わって翻弄されながらも冷静に対処する小川さんは、面倒くさい性格ではあるが意外とイイヒトなのではないだろうか。少々クセはあるがずっと心に残りそうな作品だ。随所にお薦め小説の紹介があるがたぶん読むことはないと思う。
  • 2026年9月21日
    あなたは、誰かの大切な人 (講談社文庫)
    こちらの短編集の『無用の人』という一編が映画化されたと知り読み直した。父親から娘に人生最後の誕生日プレゼントが送られてきたことから物語が始まる。周囲から無用の人と思われた父親が深い部分で娘の感性と繋がっていたことが娘の視点で綴られる。淡々として派手さはないが映画のラストシーンで面影橋の満開の桜の映像(想像)が目に浮かぶようだ。映画は作者の原田マハさん自身が監督をされている。「たぶん、いや、たぶんじゃなくて、きっと、いま、幸せなんだよな?」父親の言葉が心に沁みる。
  • 2026年9月18日
    カラフル
    カラフル
    車椅子ユーザーの女子高生・渡辺六花と怪我で陸上選手を諦めた同級生・荒谷伊澄の青春物語。障がいがテーマだがそこまで突っ込んだ描写はないのでライト感覚で読める。素直になれない六花と健気に振る舞う伊澄のキャラが良かったが、ストーリーはどこか昭和の学園青春ドラマかNHKの青春ドキュメンタリーみたいな印象だった。共感できる人も多いだろうが、これはちょっとムリと思う人もいるかもしれない。ラストは学校行事の40キロ強歩大会になるが恩田陸さんの『夜のピクニック』を連想してしまいオリジナリティの面で損をしていると思う。
  • 2026年9月15日
    鳥人王
    鳥人王
    『タスキメシ』の額賀澪さんの今回の作品は日本ではマイナースポーツの棒高跳び。日本記録に挑むイケメン大学生・犬飼優正と、様々なスポーツにガチで挑む人気TV番組の売れない芸人・御子柴陸。競技レベルは違えど、それぞれの人生を賭けた闘いから目が離せない。更に軽薄すぎるTV番組プロデューサーや国産ポール開発を手掛ける大学の女性研究者の存在が物語に彩りを添える。この2人に限らず脇役がみんな個性豊かで実にイイ味だ。そしてラストの少年ジャンプ的スポコン展開にマジで胸が躍る。最後の「赤いキツネ」と「緑のタヌキ」には笑った。 小説の中で国産ポール開発に挑む大学研究者は実際にモデルがいらっしゃるようだ。現代の棒高跳びポールがつい最近まで国産がなかったのは知らなかった。
  • 2026年9月11日
    あとを継ぐひと
    「継ぐ」をモチーフにした6つの短編集。タイトルが『あとを継ぐひと』なので単純に商売の後継者の小説だと思ったが、それだけではなかった。仕事にはいろいろな形の継ぎ方がある。ジャンルとしてはお仕事小説の範疇に入るだろう。しかしこちらもそれだけではなかった。仕事に向き合うことはもちろん重要だが、それよりも人に向き合うことの方がはるかに重要だ。人に向き合って、人と人との気持ちが繋がることで仕事も良い方向に繋がっていく。どの話もハートフルで希望の持てる結末なので読後感がとても良い。仕事に悩んだらまた読み返したい。 第三話のチョーク会社は障がい者雇用で『日本でいちばん大切にしたい会社』の本にトップバッターで出てきた日本理化学工業がモデルだと思う。「大切にしたい会社」シリーズはこの会社から始まったのだと思うとなおさら感慨深かった。
  • 2026年9月6日
    海は忘れない
    海は忘れない
    令和の女子高生が自転車事故で昭和33年の世界にタイムリープしてしまう。その時代に生きる女子高生に憑依した彼女は戦争の傷跡が色濃く残る時代で戦争のことや戦後に生きる日本人のことを知っていく。現代と当時の日本との常識のギャップに戸惑い、昭和のセクハラパワハラなど胸糞悪い出来事にも巻き込まれる。村上さんは児童文学の作家さんだが巻末記載の膨大な参考資料からもわかる通り本腰を入れて戦争の記憶を風化させない為にこの物語を書かれたようだ。ぜひ若い世代が読んで、感情論だけではない本当の日本の未来の在り方を考えてほしい。 個人的な意見だがタイムリープSFにしない方が良かったかなと思った。SFにするとリアルな物話が途端に嘘っぽくなってしまう。大河ドラマ風の歴史物語にした方が重厚なテーマが生かせたのではないだろうか。
  • 2026年9月3日
    リカバリー・カバヒコ
    住宅地の寂れた公園に置かれた色の剥げたカバの遊具。近隣の人々の間ではそのカバが願いを叶えてくれるという都市伝説が生まれ、カバヒコという愛らしい名前で呼ばれている。ほんの少し心が傷ついた人たちが次々とカバヒコに願いをかけにくる。もちろんカバヒコにそんな力がないのはわかっている。だけど縋らずにはいられない時もある。カバヒコに癒される姿を見ながら、いつの間にか読者まで癒されている。それが青山美智子さんの作品の力だ。結末は自らの小さな気づきが悩みを解消していく。人の治癒能力を素直に信じたくなるような小説だ。
  • 2026年8月31日
    学歴狂の詩
    学歴狂の詩
    公立中学校から有名私立高校を経て京都大学に進学した著者が出会った天才秀才(もしくは狂人)たちを綴った学歴厨エッセイ。ほぼ自伝だと思う。私は最近YouTubeのwakatte.tvを拝見するので学歴厨のことがなんとなくわかる。この本に出てくる超進学校男子の実態は特殊すぎて一般レベルの男子校とはかなり違うような気もする。肝心の本の内容は学歴に興味のない人にはどこが面白いのかサッパリわからないだろう。受験生に役立つかどうかも疑問だ。時にはこういう学歴至上の世界で拗らせた青春群像を生温かい目で楽しんであげたい。 学歴厨エッセイを2冊続けて読んだがあまり共感できなかった。たぶんどちらの作者も良い大学を出ていて、どんなに自分を卑下して見せようと、どこか優越感が垣間見えてしまうからだろう。学歴を語るのは百歩譲るが人生を語るな!と思ってしまった。良い大学を出ていない僻みかもしれないのでごめんなさい😭
  • 2026年8月26日
    17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。
    youtubeのwakatte.tvで人気の〝びーやま〟さんが大学受験への思いを綴った著書。youtubeの番組は何度か拝見したことがあるが、学歴に関する過激な発言(主に相方の〝ふーみん〟さんの)はあるにしてもバラエティ番組としてとても楽しい。最近、批判も受けているようだが、ただのエンタメにマジになって噛み付いてアホなの?としか思えない。この本は作者の同じ主張を何度も繰り返していて理論の裏付けがないので決して内容が濃いとは言えないが、エンタメ本と考えれば楽しめる。受験生への励ましの書でもあるので辛い受験生活の息抜きと明日からの活力になれば本書を出した目的は充分に果たせたと思う。
  • 2026年8月23日
    神の悪手(新潮文庫)
    将棋を題材にした5篇の短編集。全て独立した作品ばかりで連作にはなっていない。「指導将棋」「奨励会3段リーグ」「詰将棋」「将棋タイトル戦」「駒師」など、将棋をいろいろな角度から描いているが、特に初話『弱い者』の指し手の謎と、表題作『神の悪手』の心理サスペンスが良かった。将棋にはあまり詳しくないのだが詰将棋の作品を除いて、なんとかついていけた。将棋に魅せられた人たちの切ない人間ドラマに胸が痛む。将棋小説は指し手や戦術よりも将棋に翻弄される人間の姿を描く小説を読みたいと思う。
  • 2026年8月21日
    中野のお父さんと五つの謎
    中野のお父さんシリーズの第4作。「五つの謎」となっているが、このシリーズは推理小説というより作者の蘊蓄を語るエッセイ集と言った方が近い。今作も北村さんお得意の文学と落語の蘊蓄が満載。夏目漱石、松本清張、芥川龍之介を始め、二葉亭四迷、久保田万太郎から和田誠、南伸坊まで、その幅広く豊富な知識量に圧倒される。文学と落語に興味がある人にはこの上なく面白いが、逆にこの2つに興味のない人には蘊蓄がウザく感じるかもしれない。落語の圓生師匠、志ん朝師匠、米朝師匠の逸話や、東横落語会での万太郎の話が興味深かった。
  • 2026年8月19日
    見えなくても王手
    同じ作者の『駒音高く』が良かったので続けて読んだが、この作品はある程度将棋が解ることを前提に書かれているようで私には無理ゲーだった。視覚障害者の将棋小説はとても興味深いのだが肝心の将棋シーンが理解できない。将棋に詳しければ面白いのかもしれない。また小学生が主人公なので内容がYAのようで少々物足りない。主人公の正彦くんも欠点がなくてイイ子すぎる。視覚障害者の将棋指導に挑む小倉先生、クセ者の加藤くん、雰囲気のある雲井さん、正彦くんのお姉さんなど、魅力的な登場人物が多いので、そっちを深掘して欲しかった。 『駒音高く』の登場人物が何人も出てくるのでそちらを先に読んでおくと良いと思う。あと今作に登場した雲井さんがかなり良いキャラだったので彼女の成長した姿を別な作品で読んでみたい。
  • 2026年8月15日
    文庫 駒音高く
    将棋界隈で奮闘する人たちの姿を綴った短編集。ガチガチの将棋小説ではないので将棋のルールが解らなくても充分に楽しめる。全体に作者の視線の温かさを感じさせる。棋士や奨励会員など将棋を指す人たちのドラマももちろん面白いのだが、周囲で彼らを見守る将棋を指さない人たちのドラマがシミジミと胸を打つ。ストーリーはそれぞれ別々でも登場人物が少しづつ重なる。文庫版には杉本昌隆八段(藤井聡太六冠の師匠)の解説が付いているのもお得感がある。同じ作者で将棋を題材にした小説の新作が出ているようなので続けて読んでみたいと思う。
  • 2026年8月8日
    天才望遠鏡
    5人の天才たちの5編の物語。「新旧の天才プロ棋士」「フィギュアスケートの金メダルリスト」「天性の歌声を持つ中学生」「G1レースにも出走した元競走馬」「新人賞を受賞した人気小説家」 これはあの人かな?というモデルも垣間見える。主人公を近づき難い孤高の天才ではなく、悩んだり迷ったりする等身大の人間として描いている。そして天才になりきれなかった友や周囲の存在が天才を支える。各話独立しているがスポーツカメラマンの多々良が関わる部分で少しだけ繋がっている。最後の「小説家」の章でファンタジーに流れたのがちょっと残念だった。 「将棋棋士」「フィギュアスケーター」は文句なく天才だと思うが、「中学生」「競走馬」「小説家」は天才と言い切っていいのか疑問が残る。小説としてはどれも充分に面白かったが、後半の3編は天才の物語として同列に括らず、別な作品集にした方が良かったように思う。
  • 2026年8月5日
    ディア・オールド・ニュータウン
    30歳間近で父親の蕎麦屋を再興した笹原鳴樹。蕎麦屋の従業員やお客様の間で起きる小さな心温まる日常物語。小野寺ワールドなので過去作の人物たちがチョコチョコ登場して楽しい。場所も東京湾沿いの街でお馴染みの地域。人生イロイロあるのはわかるが離婚率がかなり高いのが気になる。でも再婚したり復縁したりで新しい人生を歩み始める人も多いので救われる。小野寺さんの物語は人と人との繋がりが大きなテーマだからだ。全ての登場人物がいい方向に向かっていくのが嬉しい。鳴樹くんも気になるアノ人と無事に繋がってくれるといいなと思う。
  • 2026年8月1日
    オリオンは静かに詠う
    聴覚障害のある女子高生の木花咲季が百人一首の競技カルタに挑戦する。ライバルは聴者でコーダの日永カナ。そして2人を見守る競技カルタ読み手のママン(カナの伯母)。主人公の咲季を聴覚障害者だからと悲観的に描かず一般の女子高生と同じ視点で描いているので重苦しさを感じない。むしろ咲季が普段の生活やカルタの試合で聴覚障害者ならではの困難に直面しても必ず乗り越えられることを信じて応援したくなる。咲季の周囲には多くの聴覚障害者や聴覚障害に関わりのある人たちが出てきてその繋がりを星座のオリオン座に擬しているのが印象深い。
  • 2026年7月29日
    うどん陣営の受難
    071006 うどん陣営の受難 津村記久子 U-NEXTオリジナル書籍の書き下ろし作品。元々は電子書籍だったようだ。本にして100ページ余りの中編なのでサクサク楽しく読める。物語は4年に1度の会社の代表を決める選挙戦に翻弄される社員たちをコミカルに描いている。選挙は最終的に上位2名による決戦投票となる。対立する陣営同士の誹謗中傷やら曝露合戦にウンザリする一般社員の姿は現実にもありそうな話で、いたく共感した。
  • 2026年7月26日
    札幌誕生
    札幌誕生
    札幌の誕生に関わった5人の先人たちの物語。連作ではなく各話が独立しているが、ところどころに登場人物のユルい繋がりがある。全員が札幌に関係があるとはいえ、第1話の島義勇と第5話の岡崎文吉が札幌開拓に大きく尽力したのはわかるが、第2話〜第4話の内村鑑三、バチラー八重子、有島武郎は、札幌開拓に直接的に関わったわけではない。むしろ大友堀を築いた大友亀太郎や札幌農学校で内村鑑三の一級上だった佐藤昌介にスポットを当てた方が札幌誕生物語として納得できたように思う。それでもバチラー八重子と有島武郎の物語には深く感銘を受けた。札幌誕生物語でまとめず、それぞれ単独の作品にすれば良いのにと思った。
  • 2026年7月22日
    神様の次くらいに
    人が死なない日常の謎系ミステリ短編集。小学生、高校生、大学生が主人公の青春ミステリー3編と、作者の過去作の登場人物が主人公の2編。謎自体はけっこう無理筋もあれば、成程そうきたか!と膝を打つものもある。しかしどれも軽妙な語り口で読みやすく、通勤通学のお供にピッタリだ。文庫本のあとがきには作者による全作品の短観が記されている。作品コンセプトと共に影響を受けた作家・作品が提示されているので読み比べるのも一興だ。ちょっと自己満足っぽい気もするが作者が書きたいものを楽しんで書いたのならいいことだと思う。
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