きなこ "恋歌" 2026年7月3日

きなこ
きなこ
@kinako2025
2026年7月3日
恋歌
恋歌
朝井まかて
朝井まかてさんの作品は初めて。本作で直木賞を受賞している。なかなか読み応えがあった。 幕末から明治にかけて、大きく日本社会が動き変化している中で、女性たちが巻き込まれながらどのように生きていったのか。樋口一葉の師である中島歌子の生涯を描いている。 病床の中島歌子の見舞いに来た弟子と女中が、歌子の家で彼女の手記を見つけ読み始める。 それには幕末に商家から武家へ輿入れした歌子の半生が綴られていた。 男たちの権力争いに巻き込まれ、理不尽な扱いを受ける女たち。踏まれても踏まれても、なお頭を持ち上げる雑草のように、生き延びる姿に涙が出る。 序章で展開した伏線が終章で見事に回収されていて、驚くとともに胸がいっぱいになる。一気に中島歌子の生き様が豊かで次世代を見越したものだと感じられ、主人公の人となりがリアルに立ち上がる。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved