

きなこ
@kinako2025
三度の飯と本が好き
- 2026年1月7日
天までのぼれ中脇初枝読み終わった最高考えさせられるネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。 用事があって行った某市立図書館で偶然手に取ったパンフレットに紹介されていた本。 楠瀬喜多という名は覚えていなくても、女性に選挙権がないのはおかしいと、税金を納めるのを拒否したという人物がいたということは、新聞記事で知っていた。彼女についての小説だということで読むのを楽しみにしていた。 作者は私の好きな中脇初枝さん。面白くないわけがない。 久しぶりに小説を読んで泣いた。しかも何度も。嬉し涙であったり、悲し涙であったり。 特に喜多が幼なじみあやめの死を知った時、当時の議員に女性もなれることが決まった時、そのために喜多が男性ばかりの議場で自分の意見を述べた時、涙が溢れてならなかった。 今は女性も投票が出来るし、議員に立候補も出来る。この当たり前が実現するまでに市井の女性たちの苦労がどれだけ続いたか。頭が下がると同時に、自分もまた先達となるのだと気が引き締まる。年が明けていきなり今年のベストに入るような本に出会えた喜び。今年もたくさん本を読もうと決意する。 - 2026年1月5日
戦争みたいな味がするグレイス・M・チョー,石山徳子読み終わった考えさせられるp7「家族史を理解するために調査や執筆をおこなうことは、家族への恥辱という支配からみずからを解放し、恥辱そのものが、抑圧された人たちを沈黙に追いやる政治的な手段であることを理解するための、第一歩になった。」 この文章は、私に直球で届いた。 戦争は、性被害は、一人の人間の一生をこうも深く長く蝕み続けるのか。 大阪で生まれ、韓国で育ち、朝鮮戦争後に米国人の夫とアメリカに渡った一人の女性の人生を、彼女の娘が綴る。 なぜ彼女は総合失調症になったのか。 人種差別に女性差別。 故郷の味を求めても、なかなか手に入らなかった時代。食はその人のアイデンティティであり、生きてきた印でもある。体と心に染みついた味は決して消え去ったりしない。 私がフィンランドに旅行に行った時のこと。フィンランド料理はそれほどクセがなく、日本人の私の舌に合った。しかし数日経つと私の舌は無性に出汁を欲し始めた。出汁が飲みたい。急な欲望に驚きながらも切実な思いはどうすることもできなかった。私の場合は数日で帰国し、出汁を味わうことができたが、それがずっと続いたら......。 朝鮮半島の分断の原因に日本も無縁ではない事実。 様々な思いを抱きながら読了。 - 2026年1月1日
「なむ」の来歴斎藤真理子読み終わった韓国文学尊敬する翻訳家 斎藤真理子さんのエッセイ集。彼女があとがきで言っているように、まるで「寄せ植え」のような本。本人は謙遜して少々自虐的にそう説明しているのだけれど、多種多様な植物が植えられている、読者にとって心に栄養満点の書籍なのだと思う。 彼女が沖縄にも住んでいたというのは、確かハン・ガンの『別れを告げない』の訳者あとがきで読んだような気がする。小説の舞台の一つである済州島の方言を日本語訳にする時に、最初は沖縄方言にしようかと思っていたとあったと思う。(現物が手元にないので確認できずうろ覚え) その沖縄在住時の色々も書かれていて、作者の胸に刻まれた記憶の重なりを読んでいて、沖縄戦の壮絶さを思い、胸が詰まる。 私が全く知らなかった作家、作品、詩、それから知っていても作品を読んだことがなかった作家など、数多くの文学に関する情報に溢れていて、読みながらうれしい悲鳴をあげる。 あとがきに書かれている彼女の復刊された詩集『ただ一つの雪片』(단 하나의 눈송이)は手元にあるのだが、まだ読めていない。今年こそ挑戦したいが......。 斎藤真理子さんの中に積まれた数々の知識がご褒美のように提供されていて、胸を高ならせながら読了。実り多い歯応えのあるエッセイで満腹満腹。 - 2025年12月26日
本と偶然カン・バンファ,キム・チョヨプおもしろかった読み終わった韓国文学p38 「詰めこんでいればいつかは」では、彼女はデビューしたばかりで、自分がアイデアが尽きたのではないかと不安になる。「アイデアは降って湧くものではないかと思っていた時期があった」が、そんな作家もいるが自分は違うと彼女は気がついたという。「材料を漁り、かき集め、収集する。そして、集めた材料を余すところなく使って文章を書く。」それが自分の書き方だと気付いたというところに大いに共感した。キム・チョヨプ氏が言うように、アイデアが溢れてくる作家もいるだろう。しかしそれだけではなく、あれだけ惹かれる小説を書く彼女がコツコツと材料を集めて書くタイプの作家だと知ることができて、親近感を覚えた。 彼女がアイデアノートを参考に小説を書こうとして設定を考えていても齟齬があることに気づくと筆が止まってしまうという。 「そのころになって、想像力と知識は別々のものではなく、緊密につながり合っているのだと知った。知識がないから、想像力も及ばないのだ。」その通りだよな。 「大学時代を通じて学び親しんだ科学知識は、作品世界の一部を構成するにすぎなかった。それとなくごまかそうとしても、ほんの一行でもつじつまの合わない部分があれば、読者の胸に作品全体への疑念が湧くかもしれないのだから、これは一大事だ。」共感の嵐。 「わたしのなかで文章を書くことは、作家の内にあるものを引っ張り出すといより、自分の外にある材料を集めて配合し、積み上げていく、料理や建築にちかいものにかんじる。学び、探検すること、なにかを広く深く掘り下げること、世界を拡張すること。これらすべてが、わたしにとっては執筆の一環と言える。」ここの部分も私に力を与えてくれた。 p173 私が韓国の作家の中で一番好きな人物がチョン・ソヨンさんなんだけれど、なんとキム・チョヨプさんも彼女から大きな影響を受けたという。 チョン・ソヨンさんの「入籍」とキム・ボヨンさんの「地球の空には星が輝いている」について以下のように言っている。 「二つともとても抒情的な短篇で、衝撃的で美しいシーンを含んでいる。私はこの二篇に一目惚れした。恋をしてしまった。(中略)短篇を書くとき、強い抒情性、劇的な感情があらわになるシーンを最も大事にしている。この点においてはチョン・ソヨン、キム・ボヨンのお二人から大きな影響を受けたと思っている。」 自分が好きな作家が、好きな作家へと影響を与えている事実は、読者にとってこの上もない幸福だ。 - 2025年12月19日
研修生多和田葉子おもしろかった読み終わったp67 「たわいもない会話でも、言葉を交わすことで人間に触れた感触があった。表現したいことがあってそれを伝えるというよりは、言葉で空気をふるわして、その振動が相手に伝わることで、同じ空間に存在しているという実感が持てるのだった。」 p78「市民図書館は文字というおいしい食べ物に溢れていたが、命を落とす危険は少ない場所であるように思えた。」 508ページの長編小説。 作者を彷彿とさせる主人公が、1980年代にドイツのハンブルクの書籍取次会社で研修生として働き始める夏から冬にかけての物語。 初々しい研修生の、慣れない職場で出会う人々や町で出会った人々との交流やいざこざなどが日常生活と共に書き込まれていて、読むほどに読者の私も当時のハンブルクの町に放り込まれ、主人公を眺めながら暮らしている気分になる。 言葉に関心の高い作者らしく、ドイツ語や日本語から想起するイメージを膨らませていて読んでいて楽しい。 - 2025年12月11日
月収原田ひ香おもしろかった読み終わったやっぱりこの人の小説にはハズレがない。 いつも一気に読ませる面白さ。 タイトルの通り、女性の「月収」にまつわるお話。月収が4万円、8万円、100万円、300万円、17万円の女たちと、月に10万円を投資する女が登場する。 それぞれその収入でどうやって生活しているのか、どう生きてきたのか、またこれからどう生きるのかの物語。それぞれの女性たちが出会ったり、すれ違ったりと、まるでウォーリーを探せ状態で、「あれ、この人は前の章で主人公だったけど、この章ではただの客だなあ」なんて発見しながら読むのも楽しい。 - 2025年12月5日
冬虫夏草梨木香歩読み終わった最高『家守綺譚』の続編。いなくなった飼い犬ゴローを探しに鈴鹿の山に入る綿貫。 さまざまなな土地を訪れ、土地の人々に(人以外にも)出会う。その土地ごとにある文化や歴史、食物と言葉が散りばめられていて、読者も綿貫と一緒に明治の山村を旅している心持ちになる。 山奥の村に住む人々は人懐こく、見知らぬ顔に声を掛けて茶を飲め泊まっていけと誘う。時代といえば時代というか、現代と比べて懐が深いと感じた。が、それはいい面であって、違う面ももちろんあるのだろうが。 人間にも動物にも物怪(もののけ)にも、相手の立場にたち、気持ちを慮る綿貫の心の清涼さに打たれる。 綿貫シリーズをもっと読みたい。 - 2025年12月3日
ブロッコリーパンチイ・ユリ,山口さやか読み終わった最高韓国文学初めて読む作家さんで、なぜ知ったかというと、朝日新聞の書評欄で紹介されていたから。吉田伸子さんの書評を読んで読みたくなったのだけれど、読了後に再度その書評を読んだら、まさにその通りすぎてクビがもげそうになった。(笑) 短編集で、どの作品を読んでも突飛な展開なのに違和感なく読み進められ、どんな結末であろうと最後には心が温まる。どの作品もそれぞれに滋味深く、腕の中で抱きしめたいくらい。 元K POPヲタとしては『ぷかぷか』はもう共感以外考えられない。 『ブロッコリー・パンチ』も『爪の影』も『アオサギクラブ』も『イグアナと私』もどれも愛おしい作品。 彼女の他の作品もぜひ読みたい! - 2025年11月27日
影犬は時間の約束を破らないパク・ソルメ,斎藤真理子読み終わった韓国文学どこかで読んだ文体だと思ったら、『もう死んでいる十二人の女たちと』の作者だった。 あまりよく覚えていないけれど、不思議な文章で不思議なお話だったような気がする。起承転結があるようなストーリーではなく、感覚的な? この『影犬は〜』も短編なんだけれど、登場人物が最初はAで、次にAの同僚のBが語り手になり、次はBが知り合ったCが主人公で....と目まぐるしく変化する。 基本にあるのは、それぞれのお話に「冬眠」する人が出てくる点。もう昔のように場所を移動する旅行はしないで、休暇は短期から長期の冬眠をするようになった世界。冬眠中に見る夢には「作られた記憶」があるという。実際には経験していないが、まるで経験したように記憶し、冬眠から覚めたあと、実際に行っていない場所に行った記憶があり、その場所の地理を正確に記憶していたという。 - 2025年11月27日
この世界からは出ていくけれどカシワイ,ユン・ジヨン,カン・バンファ,キム・チョヨプ読み終わった考えさせられる韓国文学1年以上前に読んだので、詳細は忘れていたのだけれど、再読して再び深く考えさせられる。 『最後のライオニ』は、『韓国パンデミックSF小説集』の巻頭に収められているので、3度目か。 キム・チョヨプに限らず、韓国のSF作家の作品は、SFで宇宙や未来を描きながらも、現代の社会の問題を鋭く突くところがいい。 さまざまな未来の中に映し出された事象が、遠い世界のことではなく、読者自身に関わることだと自覚させられる。彼女の作品はこれからも読み続けたい。 - 2025年11月21日
変な家雨穴読み終わった奇妙な間取りの家を巡るホラー小説家。 間取りというものは不思議で、そこに住む人を快適にさせることも不快にさせることもできる。 結局人の怨念というものは、時代を超えて鬱々と繋がり続けるものなのだと思う。 - 2025年11月18日
熊はどこにいるの木村紅美読み終わった考えさせられるリツとアイと先生は、下界から閉ざされた山奥に住んでいた。ほぼ自給自足で、僅かにぬいぐるみなどを作り販売し暮らしていた。 ある日アイと先生はバレエ公演を見に行き、帰りに立ち寄った道の駅のトイレに置き去りにされた男の赤ちゃんを拾った。 男嫌いのリツには女の子と偽り、3人の女たちは慣れない子育てを始めるが。 読み終わり、すぐタイトルの『熊はどこにいるの』の意味を考える。 登場人物の誰が口にするかで、「熊」が誰を指すのか、何を指すのかが変わってくる秀逸なタイトルだと思う。 リツもアイもユキも、ヒロやサキでさえ、女性として生きてきたせいで苦しんできたこと、社会から苦しめられてきたことが物語の隅々に感じられ、読んでいて胸が苦しくなる。(ユキは男の子だけれど、リツに一時女の子だと認識されていたので) 特にリツの生きづらさ、幼いころの性被害によるトラウマが、読んでいて辛く、社会に蔓延る性犯罪について憤りを感じずにはいられなかった。 - 2025年11月15日
朝のピアノ 或る美学者の『愛と生の日記』キム・ジニョン,小笠原藤子読み終わったSNSで紹介されていたので読んでみたのだけれど、私が好きなタイプの文章ではなかった。 韓国の著名な哲学者であり美学者の著者が亡くなる三日前までを綴った日記が本書。 確かに闘病生活を淡々とあるいは赤裸々に描いている。 どこが好みではなかったかというと、「愛」という言葉を多用していたところ。好みが分かれるだろう。身体が病に侵されていて、不安な気持ちを奮い立たせるために感情は重要だとは思うが。 また112で、病院のカフェテラスでコーヒーを飲みながら、景色の美しさを愛でている時、通勤する人々を眺め、「みんな健康で明るく、軽い足取り。けれども彼らはこの世界の神々しさと美しさをまだ知らないだろう。わたしはもうこの世界と生に与えられた本来の祝福を知っている。この身のすべてで愛しているからだ。」という部分が共感できなかった。 哲学者でも美学者でもない、一般の労働者は無知ですか?美を理解できませんか?高尚な学問や書籍を知らなくても、生きとし生けるものの荘厳さを理解できるのではないですか?と問うてみたい気がした。 訳者あとがきに、ハン・ガンが「しばらく外国にいたとき、この本を一日いちど、三回読んだ。毎日読んでもいい本」と語ったそうだが。 - 2025年11月13日
家守綺譚 下梨木香歩,近藤ようこ読み終わった最高 - 2025年11月13日
- 2025年11月13日
休養学片野秀樹読み終わった疲れは、ただゴロゴロと横になるだけでとれるものではない。「疲れ」とはどういう状態をいうのか。 「人はなぜ疲れるのか」「疲れても無理をして休まずにいると、人間の体はどうなるのか」「どんな休み方をすれば最も効果的に疲れがとれるのか」をデータ等とともに分かりやすく解説した本。 - 2025年11月9日
記念日青山七恵読み終わった考えさせられる40代で図書館司書のソメヤは、20代のミナイのマンションでルームシェアをすることになった。若々しく健康体のミナイは、自分の体がしっくりこず、年寄りになりたいと思っている。 ソメヤは図書館で出会った70代の乙部幸子に頼まれ、彼女の40代の息子 正雄とデートさせられる。 気が進まないまま待ち合わせ場所のホテルに行くソメヤだったが。 年齢とは、自分の身体とは一体何なのだろうか。 誰しも歳をとるが、それは完全に納得してのことではなく、気がつくと体の節々がギシギシ言っているということもある。 ミナイは言う。 「自分の体を、細かい傷に色んな味のしみこんだ、丈夫でなかなか壊れないなじみの鍋みたいに思えるくらい、ただひたすら、気長に時間をかける。...」 それぞれの思いが交差して錯綜して、一緒にカレーを食べて。 人と関わることってこういうことなんだろうなと思う。 - 2025年11月8日
まさか私がクビですか? なぜか裁判沙汰になった人たちの告白日本経済新聞「揺れた天秤」取材班読み終わった新聞の書評欄で紹介してあり、興味があったので手に取った。 日経新聞電子版で連載していた『揺れた天秤』を書籍化したもの。 さまざまな裁判の内容をわかりやすく解説してあり、こうやって訴えられて裁判になるのかと、身近に感じるからこその恐怖感。 「はじめに」で触れられているように、「判決が勝ち負けを明確に示していても、単純に『勝訴』『敗訴』と割り切れることが難しい事案は珍しくありません。同じ事実でも立場が異なればまったく違って見え、双方の視点に立ってみれば、それぞれの言い分が説得力を持って響いてきます。」というのもよく分かる。 ただ、妻が里帰り出産中に女と逃げた夫が死に、遺族年金を申請し受け取ったのは女の方だという事例が何とも後味が悪い。 - 2025年11月7日
村田エフェンディ滞土録梨木香歩読み終わった最高考えさせられるp56「やはり、現場の空気は良いものだ。立ち上がってくる古代の、今は知る由もない憂いや小さな幸福、それに笑い。戦争や政争などは歴史にも残りやすいが、そういう日常の小さな根のようなものから醸し出される感情の発露の残響は、こうして静かに耳を傾けてやらないと聞き取れない。それが遺跡から、遺物から、立ち上がり、私の心の中に直接こだまし語りかけられているようなので充実。私は幸せであった。」 『家守綺譚』の番外編。綿貫の友人、村田がトルコに留学していた時期のことを描いた小説。彼は大学の史学科在籍の講師でトルコの遺跡発掘物の整理をしていた。 彼が下宿していた屋敷にはドイツ人のオットー、ギリシャ人のディミィトリス、管理人兼家政婦のディクソン夫人、給仕のムハンマドらがいた。 それぞれの登場人物の背景や土地の人々との関係、現地にいる日本人とのやりとり、全てが細やかな描写でグイグイと物語の世界に引き込まれる。 村田が日本に帰り、その後第一次世界大戦と思われる戦争が起こる。しばらくしてディクソン夫人から届いた手紙の内容に胸が締め付けられた。 ラストで、元々はムハンマドが拾ってきた鸚鵡に村田が「ディスケ・ガウデーレ(楽しむことを学べ)」と囁きかけると、工芸品のように古びた様相の鸚鵡が叫んだ言葉。 涙無くしては読めない。 心に沁みた一冊。 - 2025年11月6日
あきらめません!垣谷美雨読み終わった最高会社員を定年後、夫と一緒に彼の郷里に移住した郁子。姑の隣家を買い、庭を理想のイングリッシュガーデンにし、ゆっくりと老後を楽しむはずだった。しかし図書館に行った帰りに迷い、市議会を偶然傍聴した時から彼女を取り巻く環境が大きく変化する。 垣谷美雨さんの小説はいつも女性に関する問題を取り上げ、エンタメに仕上げているのが見事というしかない。 真面目に会社員として生きてきた霧島郁子が、夫の故郷に移住してから、リアルに眼前に現れた男尊女卑の世界。東京に住んでいた郁子は、在職中に何度も心折れる経験をしていたが、ここまで直球の女性蔑視の考え方を当たり前のように口にする人を見たことがなく、若い女性議員をからかう市会議員の男たちを見て驚く。 彼女の驚きの一つひとつに共感できる。 著者は昨今の女性問題を念入りに調べたのだと感じた。ラストが明るく希望を持たせるというのも、彼女の作品が好きな理由の一つ。
読み込み中...