本読み猫
@honyomineko
2026年7月5日

マクトゥーブ An Inspirational Companion to The Alchemist
パウロ・コエーリョ,
木下眞穂
読み終わった
短文が苦手なので、なかなか読み進めなかったけど、面白いと思った話をメモ。
p.140
キリスト数のシンボルのひとつにペリカンがある。その理由は単純だ。食べるものがまったくなくなると、ペリカンはくちばしで自分の胸を突き破り、肉を雛たちに食べさせるのである。
師は言う。
わたしたちは、自分が受けとっている恵みがどういうものかを理解していないことがままある。わたしたちの精神に栄養が行き届くようにと神がなにをしてくださっているのかを理解していないことが多いのだ。
ある話によると、厳しい冬のあいだ、自分の肉を子どもたちに分け与えながらも、なんとか数日間生き延びたペリカンがいた。そのペリカンの力が尽きていよいよ死を迎えるそのとき、一部の雛が兄弟にむかってこう言った。
「ああ、よかった。毎日同じものを食べさせられて、そろそろうんざりしてきたところだよ」
→今日も安心して帰れる家があること。焼失もしていないし、奪われてもいない。すごい愛を受け取ってる! 感謝について思い出せるエピソード。え、ひな…? ってなるけど笑
p.149
ドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェがどこかで言っていた。〈すべてのことを賛否の雑にかけることは無意味である。時に過ちを犯すのは人間であることの条件のひとつであるのだから〉。
師は言う。
細部にわたり正しくあらねば気がすまない人がいる。われわれは、自分自身にすら間違いを狙す犯すことを許さないことがよくある。
その結果として得るものは、次へと進むことへの恐怖心である。
間違いへの恐怖という戸をくぐり、われわれは凡庸という名の城に閉じこもるのだ。
この恐怖を乗り越えることができたなら、自由へ向かう大事な一歩を踏み出すことができるだろう。
p.176
人間が発明した、破壊力を持ったありとあらゆる武器のなかで、もっとも恐ろしいのはーーそしてもっとも卑怯なのはーー言葉である。
刀や火器は、傷痕を残す。爆薬は建物や道路を破壊する。毒薬はのちに検出される。
師は言う。
言葉は、いっさいの痕跡を残さずに破壊することができる。子どもたちは両親によって何年もかけて操作され、男たちは完膚無きまでに批判され、女たちは夫から受ける非難によって計画的に虐殺されている。自分は神の言葉を伝えることができると信じ込んでいる者たちによって、信者たちは宗教から遠ざけられる。
あなたはこの武器をだれかに使っていないか、よく考えてみなさい。この武器を自分自身に使ってはいないだろうか。どちらの場合も、あってはならないことだと、よく心に留めておくべきだ。
p.178
砂漠に住んでいたひとりの男の話である。男は他のオアシスへ旅立つつもりで、ラクダに荷を積みはじめた。敷物、台所道具、衣装箱ーーラクダは全部を背に載せることができた。いざ出発しようとしたときに、父から贈られた美しい一本の青い羽根ペンを忘れていたことを思い出した。
羽根ペンを取りに行き、ラクダの背の一番上に載せた。
するとどうだろう。ラクダは重さに耐えかねてどうと倒れ死んでしまったのだ。
〈うちのラクダは羽根ペン一本の重さにも耐えられなかった〉男はそう思ったにちがいない。
わたしたちは、時おりこんなふうに他人のことを考えたりする。自分にとっては些細なつもりの冗談が最後の一滴となって、くるしみでいっぱいの相手の器がとうとうあふれ出してしまったということも知らずに。

