綾鷹 "グレタ・ニンプ" 2026年7月1日

綾鷹
綾鷹
@ayataka
2026年7月1日
グレタ・ニンプ
4年間の不妊治療の末、子どもを持たないと決めた夫婦に奇跡の自然妊娠が訪れる。しかし、それを機に妻が「マタニティ・ハイ」を超えて豹変。頭を紫色の坊主にして孫悟空のような口調になり、過激な言動で周囲を振り回す姿を、夫の視点から描いた抱腹絶倒の妊婦コメディ小説。 気になっててやっと読めた! 主人公の変わり方が極端すぎて、まず笑らえる。笑 でも、由依の苦しみがだんだん明らかになり、俊貴そんな妻も受け入れ、新しい形でお互いを認め合う2人に幸せな気持ちに。 おしゃれで気取ってて「俊貴いけ好かないなぁ〜」と最初は思っていたが、最終的には変わった妻も理解して受け入れるナイスガイでした。 夫目線の話っていうのもよかったなぁ。 ・ワタイはニンシンだけをゴールと思って、まわりに色とりどりの楽しみとか喜びが起こってても、わきめもふらずそれを無視し続けたわけさ。会社も辞めたし、身体を動かしたり、遠くへ行かなきゃならないようなシュミもあきらめた。 ニンシンってゆう、目的達成ばかりに気を取られ過ぎて私は自分の人生を生き忘れてた!一生けんめーだとそうなっちゃうけ どさ、やっぱこれだといけねーよ、林さん!身体より、心が先にまいっちまう。この会場にはほかにも、フニンチリョー中の人がいるかもしれない。今は深い悩みに囚われたり期待にソワソワしたり、ときにはものすごい絶望を感じることもあると思う。でもお前さんは、今この瞬間も、生きている、生き続けている! フニンチリョー中でも楽しむ権利は、もちろんある!好きなカッコしようよ、好きなとこ行こうよ!罪悪感なんか、感じる必要ないよ。お前さんには幸せになる権利がある!お前さんは母になりたいと同時に、母から生まれた尊い生き物でもあるんだからよ!! ・「由依、仕事辞めて辛かったよな」「なんだぁ、いきなり」 「不妊治療のために好きな仕事を辞めたわけだろ。もし今も働きたい気持ちがあったら、僕は全面協力する準備はできてるから」 たくさん勉強して、就職試験の厳しい倍率を抜けて、ようやく手にした念願の職業を、不妊治療のために手放すのは、どれだけ勇気のいることか。 僕は由依が妊娠して、子供が生まれるとほぼ確定している時期にもかかわらず、上司に育児休暇をほぼ強制的に取らされて、自分は出世レースから一時棄権しなければならないと知っただけでも、あれほど動揺した。破格の待遇だったのに、上司を恨みもした。 「え~つ、どうかなぁ、琉化もまだ小せえし、すちいむアイロンの活動もいそがしーし、復職なんぞ考えてもみなかったぜぇ」 「あ、それならそれで、全然良いんだけど」 不妊治療や妊娠出産で、あけすけに言えば、夫婦が失うリスクがあるのは、金と時間だ。 女性の方は、妊娠やお産のときに、健康さえ失うリスクがある。何かを得て何かを失う、ならまだ良いが、何かを失ったうえ何も得られない、という事態も、さらに発生する。妻が仕事を辞めてすべて不妊治療に捧げていたのに、遂に子どもが生まれなかった夫婦も、どれだけ多いか、嫌と言うほど見てきた。 というかギリのギリまでその状態だった僕たち夫婦は、自分たちが幸運だなんて思えない。 それはこんなに苦労したんだからという理由ではなく、治療が上手くいかなかった人たちを不運の一言で片付けてしまうのが、あまりにもむごいと、経験から知っているせいだ。 どうして子どもを持つことが、こんなにも希少なイベントになってしまったのか。
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