
陽祐
@0810seba
2026年7月7日

読み終わった
現代の映像と『エジプト誌』の最大の違いは、「手つかずの静寂」と「まだ見ぬ未知への憧れ」。 写真で見慣れているピラミッドや神殿は、周辺の砂が取り除かれ、全貌がクリアに露出した姿であり、一方で、『エジプト誌』には果てしない砂漠の中にポツンと取り残され、下半分が砂に深く埋もれたままのスフィンクス、神殿の姿が活写されている。 観光客、近代的な建造物、電線すらない時代。緻密な線画で描かれたその光景は、知っているはずの「親しみのある景色」でありながら、人類が足を踏み入れるのを拒んできたかのような圧倒的な孤独と神秘。



陽祐
@0810seba
写真のように一瞬を切り取るのではなく、当時の学者や絵師たちが驚異の念を抱きながら、何日もかけ見つめ、手作業で線を重ねていった図像だからこそその空気感までが閉じ込められているような気がしてくる。 現代のリアルな映像が「現在のエジプト」を伝えるものなら、『エジプト誌』は「かつて砂漠の静寂のなかに眠っていた、もう一つのエジプト」を呼び覚ましてくれるんじゃなかろうか?この本を通して見る遺跡は、よく知る日常の延長線上にはない、まさに時空を超えた「異世界」へと私たちを連れ去ってくれる、色褪せない魅力を放ち続けている。