
イシイルカ
@ishiiruka0421
1900年1月1日
アガラ
榎本憲男
読み終わった
いつもながらこの作者の描き出す世界の設定、舞台に度肝を抜かれる。
中国語が蔓延する、国家という概念がなくなったデストピア。国境も、したがって戦争も差別も貧困もない清潔な世界。
ジョン・レノンが歌った理想郷。
厄介な宗教を、どうにかこうにかやっとのことでこの世界から駆逐することに成功し、宗教由来の偏見や差別を撤廃し、ベーシックインカムですべての人類は食うものには困らなくなった平和な世界。
これは『1984』を彷彿とさせる硬派なSFだ。安穏と暮らしている我々現代人に警鐘を鳴らす物語だ。
アガラという、あの「刑事ジョン・ブック/目撃者」のアーミッシュを彷彿とさせる、パンクで独特な和歌山のコミュニティに潜入するふたり。
きっかけは結局あのコロナ禍なのか。世界が方向を変えたのは。
アガラの内部が明らかになるにつれて、またしても作者の用意した巨大な仕掛けに驚かされる。
そして驚愕のラスト。もう最高。

