かねだ ひろたか "魔法の石板" 2026年7月10日

魔法の石板
魔法の石板
堀江敏幸
いつもと違うところで読みたいと思っていた。カンペールで始まる序章の空気があまりにも素敵だったから。 ジョルジュ・ペロスのことを全く知らなくて、堀江敏幸の本だから買った一冊。 遠い人のはずなのに時折すぐ目の前にいるような近さを感じる。 若く不器用な人付き合い、生き方。頑迷さ。混じり合わない純粋さの瑞々しさといったら! 恋愛にも似たよう友情、深き情念が故の別れ。 こんな愛の話だとは思わなかった。 この一文が感情を大きく揺り動かした。 「だかいったい、全身を精神の大洋に沈められる書き手がどこにいるだろう。書くという行為は、このつま先の、足首の感覚だけを頼りに、ありもしない身体を夢想するということにほかならないのだから。」 ペロスは老いへの道へと進んでいく。 続きはまた今度。
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