octo "中世哲学への招待" 2026年7月12日

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@mothmanoir
2026年7月12日
中世哲学への招待
ヨハネス・ドゥンス・スコトゥスを主人公にして語られる西洋中世思想の入門書。「暗黒の中世」の実際の思想的豊穣さに目を向けさせる本。そして、そのことがヨーロッパ思想の根底にある考え方を理解することに繋がる。 中世哲学の背景となる社会状況(アラビアからのアリストテレス輸入、大学の誕生、修道会の実態)が段階を踏んで紹介されて、後半のヨハネスの思想の紹介への導入となっている。随所で挿入される日本的(≒仏教的)な考え方と西洋的な考え方の対比を強調する文章も効果的でわかりやすい。 神の存在証明から、普遍論争や存在の個別性、三位一体論と認識論のつながり、理性からの意志の独立、時間/空間論などなど話題は多岐にわたるが叙述は丁寧で読みやすい。 個人的には「存在の一義性」についての何かしらかの説明を期待していたが、その点には触れられず残念。 とはいえタイトル通りの、この分野に関する最良の入門書の一つであることは間違いない。
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