yamamomo
@yamamomomo
2026年7月12日
いちじくのはなし
しおたにまみこ
絵本を読むことは。
と、久しぶりに絵本の世界にとっぷり浸かったあと、考えた。
絵本の棚の前に行くことには、ちょっとしたハードルがある。心が鎮まってたっぷりしている時でないと駄目である、と思っている。私の場合。
大人向けの本を読むこととは違った感性が必要となるのではないかという気がするのだ。ワンクッション必要になる。その世界の豊饒、うつくしさを胸いっぱいに受け取るための。
それは寧ろ大人の本を読むときよりも静かで澄んだ心と知性のチャンネルを必要とすることなのではないかという気がするのだ。「だから何」でも「カワイーね。」と表面をつるつるなでるような層ではんく、もっと高く深く自由に魂を飛ばせる翼をしっかりと受け止めるための心構え。決して浅薄に消費することによって貶めたくない領域。
そうして、自分の幼児の頃、或いはそうでないものの視座に飛び込み共振させる翼を得るとき、己の中の失われていたことにいつでも初めて気づくような気持になる。今の日常現実の中を生きる自分の閉ざされっぷりに気づき、解放のチャンネルを開くトリガーとなる。心静かに目を閉じ内部に、他者に、開かれる世界へ。
そのときの己自身の眼差しの自在な変化、その心への響き方もその豊穣と複雑さの価値。それは、大人向けの本を読むときと優劣をつけられるものではなく、ただその質がちがう。煌めきの色彩が違うというだけなんだと思う。
