
もじすきー
@kiocom
2026年7月14日

分断されないフェミニズム
荒木菜穂
読み終わってからだいぶ経ってしまった。
副題の「ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる」とは、「こうあるべき」「こうなっても仕方がない」という社会に沿って生きるのではなくゆるやかに生きると同時に、ほかの誰かを貶めないための社会的責任を果たす。つまり社会構造の中にいる自覚を持ちながら緩やかに生きるということ。日常とは、異なる誰かとつながることであり、よりよく過ごすには、誰かをケアしたり誰かにケアされたり(このケアには政治的ケアも)の関係性をどう実践するか。筆者はフェミニズムの中からヒントをもらったという。
フェミニズムといっても、女性というだけではつながれない。女性の中には様々な切り口での多様性があるため、つながることが自分とは違う女性に対する抑圧になることもある。筆者は女性たちの運動に身を置き見聞きする中で、そういう困難を調整する営みこそが、「分断の呪い」を解くために重要だと説く。
フェミニズムには多様性があると同時に不完全でもある。フェミニズムに可能なあらゆる善いことと折り合いをつけながら、「個人的なことは政治的なこと」と考え、女性同士の分断や抑圧を「仕方ない」ことにせず、その背景には構造があることを明らかにして、個人的なことを個人的なままで終わらせない行動をひたすら選びとっていくしかないというメッセージを受け取った。
最近読む本にはよく、正解がないことを自覚するとか、正解がないことに耐えるとか出てくるな。
