
北本新聞縦覧所
@kitamoto_juran
2026年7月16日
天皇機関説タイフーン
平山周吉
読み終わった
天皇機関説事件そのものというよりは、天皇機関説事件を軸に人や言論がタイフーンのように揺り動かされてゆく様を史料をもとに描かれる。
天皇制を絶対君主であると一般国民に教育する「顕教」と天皇を明治憲法によって機関として位置付けるエリート層の「密教」がある。陸軍は密教の中で顕教を頑なに維持しており、その体制内矛盾の発露が天皇機関説事件であった。
2.26事件の黒幕とされ、戦前陸軍の暗い影を代表する真崎甚三郎を三島由紀夫や秦郁彦、そして昭和帝の評価を通じて掘り下げる部分などは興味深く読まされた。
読了はしたものの、読みづらかったというのも本音。史料を掘り下げる途中で寄り道的に別の話も差し込まれる。そのため時間軸も読み取りづらく、頻繁に迷子になった。読みにくい司馬遼太郎といった印象。
はなから司馬遼太郎と違い大衆に読みやすい内容を提供しようといった姿勢ではないのだろうが、私のような浅学非才な者は苦戦してしまった。
昭和史への理解を深め、精読のようなことが多少なりともできるようになったらもう一度挑戦してみたい。