サブレとポッポの往復書簡 "永遠をさがしに" 2026年5月5日

永遠をさがしに
幼い頃、突然自分を置いて出ていってしまった母の後を追うように、カナリアのトワもまた突然いなくなってしまう。一度も鳴くことのないまま。トワが鳴かないのも、母と一緒にいなくなってしまったのも、きっと父のせい。まるでそのことを引きずるように、そのままチェロを弾けなくなった主人公の和音。 それでも和音は、少し気持ちを表現することに関して不器用な指揮者の父奏一郎の本当の思い、気も当たりも強いけど、真っ直ぐな強い思いをもって和音に接してくれる継母の真弓、そして気の置けない二人の親友たち。自分は父を受け入れられず、母にも置いていかれたという、かつてのトラウマと喪失感からなかなか立ち直ることが出来なかった和音が、ふとしたきっかけから少しずつ周囲の人たちの優しさに気が付き、家族や友達に見守られつつ、かつて好きだったチェロの演奏を通じて前向きな気持ちを取り戻していく、そんな少しの切なさやほろ苦さを含んだ思春期成長物語です。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved