
花春
@haru-tuge
2026年7月18日

もえぎ草子
久保田香里
またいつか
絵本・児童書
平安の世で、女官ですらない下働きの女の子が必死に生きてゆく話。
清少納言というか中宮さまのお屋敷で働くのだけど、人がいないからと役目を越えて仕事をしたら盗みを疑われたり、挙句に父からもらった唯一の財産である紙を奪われて屋敷を追い出されたり、褒美をちらつかせて言いつけられた事柄を熟そうとしたら邪魔されて笑いものにされて褒美も無かったことにされたりと、一生懸命に生きる女の子が人として扱われないのがあまりに辛くて、中盤でギブアップ。
描き方そのものはそこまで悪辣ではないし、平安の世だと考えれば人権意識なんてなくて当たり前だし、意地の悪いエピソードは『枕草子』から抜粋していてしっかり歴史に基づいてるのもすごいな〜と思うのだけど、ちょっと…しんどかった…。
(清少納言を「はっきりと自己主張する現代的な女性!」みたいなポジティブ一辺倒なキャラ付けではなく、どうしても現代人として感じてしまう「コイツほんと性格悪くて最悪だな」の部分をしっかり描いてるのはすごいと思う。定子さまをお慰めしたくて頑張ってる部分とかもちゃんと伝わるし)
主人公が感受性が鋭くて、紙や文字や文学の価値を感じ取れる子で、清少納言の作るうたを聞いては心を揺らしていたから余計につらいというか…単純に「自分たちを人とも思わぬ上流の身分のひとびとを憎み、反骨精神で生きる」方向性のほうがいっそ楽に読めたかもしれない。
そうではない…皆が与えられた環境で精一杯堅実にみずみずしく生きていて、上流のひとびとの意識はなにひとつ変わらないリアリティだからこそ、この物語はよいのだろうとは思うのだけど…でも、感じた強い憤りの落としどころが見つからなかった…。
いつか、もっとこころに余裕があるときに再チャレンジしたいな。