
花春
@haru-tuge
イイネは気になった本とか素敵な感想ですね!のやつ
アイコン:シマエナガとお花のアイコンメーカー
- 2025年5月27日異国の花守波津彬子読み終わったすごく良かった〜! 金沢の落ち着いた古都の雰囲気の中で、庶民で現代的な(でもいいとこの)お嬢さんが、ゆっくりとした暮らしの中で、恋をしたり、どういうふうに生きてゆきたいかを見つけてゆく流れが、しっとりしていて、視線がやさしくて。 日本が好きな外国人のアレックスが、伝統を失いつつある「現代の日本」に失望しつつ、それでも日本で生きようと思ってくれたのが、こう…嬉しいなあ、と思う。タイトルが『異国の花守』なんだよなあ。そうだね…。 金沢に行ってみたくなるようなお話。 各話のタイトルがきれい。異国の花守、佐保姫の恋、名残りの花、花の聲、夏衣の風、冬の音、花笑みの庭…。 最終話タイトル、「花笑みの庭」なんですよ…とてもよい…。
- 2025年5月4日もどかしいほど静かなオルゴール店瀧羽麻子読み終わった2巻目だと気付かず楽しく読み切ってしまった。 穏やかな夏の島で、「その人の心の中に流れている(印象深い出来事とリンクしている)音楽」をテーマにした連作短編集。 和やかであたたかい、さざなみみたいな話が詰まっているので、さっくりと読める。気候の良い日に、風にあたりながら読みたい感じのおはなし。 失ったものは戻らないし、心に空いた空白は埋まらない。それでも穏やかに日々は過ぎていく…というスタンスがやさしいなあと思う。 「からっぽ」が好き。空白だからこそ他の音楽が響く楽器になれる。 感動の涙!みたいな煽り文句ついてる帯だったから微妙かな〜面白くないかも〜〜と思いつつだったのだけど、よかったなあ。他作品も読みたい。
- 2025年4月29日アリスのうさぎ斉藤洋読み終わった静かですこし不思議な話を図書館の児童相談員が来館者から聞く話。 大きな陰謀に繋がるでもない、何かが解決するわけでもない、「ただ不思議なだけ」の話。という物語のつくりが、日常の中にしずかに息づく不思議を想像させてよかった。さっくりと読める! 4編の中だと、「美術館の少女」が好きだなー。
- 2025年4月29日幻想綺帖 二 『玉藻の前』岡本綺堂,波津彬子読み終わった岡本綺堂原作の漫画って初めて読んだかもしれない! 「なんかこの話、魔性の九尾狐(幼馴染の体付き)と尊敬する誠実な同性上司の間で揺れる千枝松がヒロインじゃない?」と思いながら読み切ったら、後書きで作者が同じことを書いてらして笑った。 波津さんは、原作に忠実に、でも漫画としてわかりやすく構成して描いてくれるので信頼して読めるのが良いですね…。 岡本綺堂の他の作品も読んでみたいなあ。
- 2025年4月17日間の悪いスフレ近藤史恵読み終わったこの作者さんの、誰もがもつ繊細さに丁寧に焦点を当てて、料理を通してそこに寄り添う描き方が好きだなあ。 どこの料理?どうしてその料理が愛されているのはこういう歴史があって…の、土地と文化に根付いた料理解説も楽しい。 読んだあとに、その食べ物を食べてみたくなるお料理小説はよいよねえ…。 ビストロ・パ・マルシリーズの4冊目、読みやすいコージー・ミステリーで連作短編集。 表題作の「間の悪いスフレ」と「クスクスのきた道」が、とても良かった…。 差別に対する言語化の難しい恐怖と忌避感、好きなものをそう感じてしまうつらさ、少女の多感とそれをうまく読み取れない父親の対比、どれも「そうだよねえ」と頷かされるリアルさで、でも、その繊細さに寄り添えるひとがいるという希望も提示されていて。とてもよかった…。
- 2025年4月16日
- 2025年4月16日読み終わった全7巻読んだ! 「幽霊が見えて苦しんでいた女性が、己の特性を理解してもらえる場所を得て成長し、一歩踏み出すまで」を丁寧に丁寧に描いて、描き切ったのだな…という印象。 主人公ちゃんの発想、ちょっと「その発想はどうなのかなあ…」と思うところ(幽霊を「救ってあげたい」発言とか)もあるのだけど、彼女はこれからどんどん変わってゆくのだよな、とあたたかく見守れる感じがする。 アパートの住人たちも、それぞれに影響を与え合いつつ、それぞれの人生を生きてる感じが素敵。 幼馴染くんの主人公への想いが盤石なので、外から見た関係性は最初と変わらないのだけど、当人たちとしては大きく変わったんだよなあ…としみじみする。 当て馬みたいなキャラクターがおらず、ふたりの関係性に焦点を当ててじっくり描いてくれたのがよかったなあ。 この作者さん、文章がすごく読みやすくて、ひとつひとつのシリーズがたくさん刊行されてるから嬉しいな〜。いっぱい読める!
- 2025年4月16日コンクールシェフ!五十嵐貴久読み終わった「料理で人が元気になる」というコンセプトがしっかり描かれていて、すっきりと読めた。 1冊かけてじっくりとひとつのコンクールの最終戦やってるの、贅沢な作りしてる…! メインキャラ(料理人)は6人だけれど、それぞれキャラが立ってて、応援したいキャラがひとりはいる。孤高の中華料理人、邸さんが好きだ…。 6人それぞれをしっかり描かれているからこそ濃淡が少なく、若手コンクールとはいえ既に名店の第一線で働いている人たちなのでミスらしいミスもなく、妨害行為もなく相手に対するリスペクトもあり…で、結果的に「料理バトル系に期待するメリハリ」みたいなものは無い。 ぶっ飛んだ料理バトル漫画に慣れているからか、「みんなちゃんと料理してる…!」「コンクールで学びを得てる…!よかったねえ…!」と一周回って新鮮で面白かった。 機材とか料理のやり方、各自のキャラクター性が文章では想像し切れなかったので、漫画やドラマで読みたいなあ。キャラクターもそれぞれ魅力的なので、ひとりひとりをもっと掘り下げて、キャラ同士の相互作用も見たかった!
- 2025年4月1日眼下は昏い京王線です芦花公園読み終わったXで作者の宣伝ポストを見かけて、「エモーショナルホラー」というキャッチコピーに心惹かれて読んだ。 ライトな感染型ホラーで、わたしは、これはひたむきな恋愛小説だなと感じた。 最初は、主人公の琴葉ちゃんの軽率さや女子大生らしい自意識に「お、おう…」とちょっと引くんだけど、さくさく読み進めてゆくうちに自然と「うんうん、でも好きなんだもんねえ、そうだよねえ」と応援しちゃうようになるので、一話目で合わないかも?となっても、諦めずに続けて読んでほしい…。 そういう、恋愛要素が重要になるからホラー要素は狙って軽めなんだな~とか実在の地名使ってるのこういう意図か~!がラストにわかったりとか、感染型のコノヤロウ巻き込みやがって感がエモーショナルさで許せてしまうあたりとか、読了後に「この作者さん、小説を書くのが上手いな!?」と惚れ惚れした。 これは狙ってああ書いてるのだと思うので、他作品も読んでみたい~! シマくんはいます ※ 以下、具体的なネタバレ感想 ※ 3/20の夜に一気読みしたっぽい(スマホにメモが残っていた) 短編の中では『仙川』が怖かったので、わたしは「自己の認識を弄られて抵抗できなくさせられる」ことに恐怖を感じるのかも?という気づきを得た。ホラーあんまり読まないので知らなかった。 『千歳烏山』で並行世界の示唆、『桜上水』で怪異を多くの人に認識させることで存在を確立させる手法、『新宿』で儀式が完遂されてない片手落ちであること(琴葉あるいはシマくんが贄になったのに母親は戻ってきていない)、『エピローグ』でタルパの話と、読み終わったときに「真相がどうなのか、彼女はこれからどうなるのか」を読者に想像させるネタをばら撒くやりかたが上手い~!! 可能性がいくつもあるのだよな…。 わたしはシマくんが琴葉を殺しきれなくて、連れて行かれたのはシマくん(なので、怪異と出会える体質の琴葉が執念でいつかシマくんを引き寄せられる)と思いたいのだけど、 でも、エピローグのシマくん評、ちょっとずつおかしい気もしててそこはかとなく不安。 シマくん、タートルネック着てる描写なんてあった…? 表紙絵でも派手な柄シャツですが…?? 『笹塚』で、シマくんが「琴葉が自分の名字を知らない」と知って動揺するところ好きだなあ。 あそこで、シマくんに、琴葉の愚直なだけの恋心、その偏執的な熱量、ひたむきさ、そういったものが確かに伝わっていたし、それらがシマくんの中のなにかを揺らしたのだと信じたくなる…。 わたしはこの作者の著作はこれが初めてだったのだけれど、その状態だと、「エピローグで別シリーズの2人をカメオ出演させた意図」は掴めなかった。 最初、このいきなり出てきたふたりの描写だけ浮いてるな?と当惑して、検索かけてやっとカメオ出演した別シリーズキャラか!を理解したので、こう…「ナチュラルにカメオ出演してる」じゃなくて「違和感を感じた」わけなので、ここはあんまり描写が上手くないのだろうなという気がする…? (ただ、別シリーズも読破してるらしき人の「このキャラがこう反応してるということは、琴葉は〜〜という状態であるというのがわかる」みたいな、この2人が出演したことにも意味があるよ!という感想も見たので、別シリーズ読んでからもっかいこのエピローグを読み直したいな)
- 2025年3月31日私のてきとうなお菓子作り溝呂木一美読み終わった表紙の可愛さの通りに中身も可愛い! キラキラ系じゃなくて、児童向けのレシピ本みたいな素朴な可愛さ。 やさしい色使いと文字フォント、余白多め、手順少ないかんたんレシピで、本全体の雰囲気が柔らかくてとてもよい。 レシピも、(バターやベーキングパウダーあたりは必要になるけれども)「お菓子作りにしか使わないような特別な材料」は無く、小麦粉砂糖バター卵でできるよ!作業工程は5つ!くらいのかんたんさ。 お菓子作りをやってみたい!という子にあげたくなる。
- 2025年3月31日おいしく食べられる山野草の料理道下暁子読み終わった読み物として楽しかった! 土に生えているところ、収穫してザルに入れたところ、料理後の完成品の写真ごそれぞれ載っていて、「この草がこの料理になるんだ」が面白い。 写真もとても色鮮やかで見やすくて美味しそう。 調理法は天ぷら、炒め物、茹でて和える…がほとんどだけれど、時々、「スイカズラの花のサラダ」とか花そのもののかたちを保った料理の写真もある。きれい。 似た有毒植物がある旨の注意喚起、どんな味かの一言メモ、山菜名の由来などレシピ以外もあれこれあるのが、楽しくいろいろ教えてくれてる感じ。 たぶん自費出版の会社だと思うのだけれども、紙面のデザインが凝っていてすごい。これ、ご本人がなさったんだろうか…?外注…? 姥百合の梅肉和え、食べてみたいな〜!
- 2025年3月30日あやしバイオリン工房へようこそ奥乃桜子読み終わった才能がなくてバイオリニストになれなかった主人公とバイオリンの精の話。 それぞれが抱える課題が、お互いの存在によって昇華されて、一冊できちんと話が完結している。すっきり清々しい気持ちで読み終われた。 バイオリンのつくりの描写もわかりやすくて、舞台である仙台も魅力的に描かれていて、適度な熱量で「それっぽさ」を味わえる。さくっと読みやすくて寝る前の読書によかった。
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