
chidori
@NightMirage302
2026年7月19日
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ
買った
読み終わった
現実世界と地続きの内容で鳥肌が立った。誰もが物語を求めている。
運営は、生きづらさを抱えた現代の「悩める子羊」達に刺激的で共感しやすい「物語」を適切に与え肥やし、推し活という名の「歯車」に変え、自主的に経済を回すように仕向けている。
安易に「作られた誰かの物語」に飛びつくのではなく、状況を冷静に考える余裕が必要だ。
国見の実験台として扱われるアイドル(道哉)と俳優の子(倫太郎)が可哀想だった。
ファンや大人の都合で改変され、咀嚼しやすく解体された物語。
すぐに型に当てはめ、安心感を得ようとする人々にピンポイントに投げられる撒き餌。
元ネタは探せばすぐ出てくると思うが、彼の死を忘れられず熱狂的な支持と弔いを続ける俳優ファンと、若者の心を掴み、悪質な呼び掛けで社会問題にまで発展した某政党団体、サバイバルオーディション番組か。
別の視点や世界を知っているのなら、状況を打破する答えが見つかるかもしれない。陰謀論やマインドコントロールも他人事ではない。
物語の作り手とファン。熱狂を生み出す共犯者に仕立て上げる「仕組み」。推し活はビジネスなのだ。半永久的に継続する、サブスクの課金ゲーだ。
まさしく現代の宗教に違いない。
私は父親(鷹彦)と娘さんに共感した。二人は後日、徹底的にじっくりと話し合ってもらいたい。絢子は知らない。結末を考えたくもない。
もう無関係だと言っていられない。これは現代人の必読書であり、度が過ぎた経済活動への警鐘だ。
都合の良い物語で脳を溶かし、咀嚼し、刺激を求め続ける人々への最終通告。誰もが暴徒になりうるのだ。
それはさておき、物語の危険性を伝えるこの本もまた「物語」なのだが、メタ構造も意図的な仕業かもしれない。
