
もくず
@mokuzuuu
2025年3月28日

狭き門
ジッド
かつて読んだ
愛読書
いとこのアリサは僕にとって最愛の人だった。皆がアリサを僕と結婚させようと動く。だけれども、アリサはそれに抵抗して、神への信仰を貫いて死んでいく。アリサは日記を残しており、僕を愛していたとわかる。
本当に大好きな悲恋物語で、様々な読み方をしているのだけれど、この今の私の読み方は、優秀であり、非の打ち所のない「僕」が強者すぎるのではないか、ということ。アリサの視点に立ってみると、息が詰まるほどの苦しい完璧さで「僕」が、頼んでもいないのに勝手に君は僕が守ると言う論理を振りかざして迫ってくる。勝手にアリサを判断して勝手に期待したり、失望したりする。これではアリサは生きていくのが苦しい。神に逃げるしかない。もちろんアリサはジェロームが好きだけど、好きだからこそ完璧すぎる「僕」がきつい。…と言うふうに読めるのだけど、もうしばらくしたら、また別の読み方をしているだろう。その時はまたメモしに来る。
