なおまる "さみしい夜にはペンを持て" 2026年7月20日

なおまる
@naomaru
2026年7月20日
さみしい夜にはペンを持て
なおまる
@naomaru
おじさんはね、こんなふうに思うんだ。だれかに話すとスッキリする。それはなかを大掃除するような気持ちよさじゃないかって 39ページ
なおまる
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「ああ、この子たちはただのクラゲじゃないよ。コトバクラゲって言うんだ」 「そうだ。おじさんの頭のなかにも、タコジローくんの頭のなかにも、たくさんの『ことばにならない思い』が渦巻いている。コトバミマンの泡としてね。しかもその泡は、つまり思いは、放っておくとどんどん増えていく。頭のなかがまっしろに濁って、なにも見えなくなるくらいに増えていく。だからこうやって、コトバクラゲたちに片づけてもらうんだ 40ページ
なおまる
@naomaru
「そうさ。タコジローくんはさっき、おじさんに自分のことを話してくれたよね?」 「うん」 「あのとき、タコジローくんの頭のなかでは、コトバクラゲたちがせっせと泡を運び出してくれていたんだ。タコジローくんの思いを、『ことば』という荷物に変えてね。おかげで頭の濁りが、すこしクリアになった。タコジローくんがスッキリしたのは、ちょっとだけ『ぐるぐる』が晴れたおかげだったのさ」 中略 実際、ことばにならないぼくの気持ちを言い表すのに「ぐるぐる」は、とてもぴったりな気がしたのだ。 「でも、いまの話がほんとだとして、あのコトバクラゲたちはどこに泡を運んでるの?」「よし、おじさんを背中に乗せてくれるかい?一緒にコトバクラゲを追いかけていっ てみよう」 42ページ
なおまる
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「そうだね。『思う』と「言う』のあいだには、意外と距離があるんだ」 43ページ
なおまる
@naomaru
「タコジローくん、それは違う。うまく話すことができないのは、頭の回転がにぶいからじゃない。トビオくんみたいな子は、『思う』と『言う』の距離が近いだけなんだ」 44ページ
なおまる
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たしかにおしゃべりは、聞いてくれる相手がいて、はじめて成立するものだ。自分の話を聞いてくれる友だちがいる。それはすばらしいことだよね。でも、残念なことにぼくらは、いつもそういう相手に恵まれているわけじゃない。おじさんだってそうだよ。 自分の思っていることをぜんぶ話せる親友なんて、なかなかいないもの
なおまる
@naomaru
相談する相手がいない。だれかに相談できる話じゃない。そういうときには自分に相談すればいいんだよ
なおまる
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「いや・・・・・・・自分に声をかけるって、どうやって?」 「書くのさ」 おじさんは微笑んだ。 「書くってね、自分と対話することなんだよ」
なおまる
@naomaru
自分の思いをことばにする。そのことばを聞いて、なるほど自分はこう思っていたのかと納得する。自分の発したことばで、自分を知る。 だからこそ、実のあるおしゃべりはスリリングでおもしろい
なおまる
@naomaru
ただし、自分との対話がいちばん深まるのは、文章を書くときだ」 「どうして?」 「さっき、コトバクラゲたちがたくさんの泡を運んでいくのを見たよね?」 「うん」 「じゃあ、ぼくたちが自分の思いを文章にするとき、コトバクラゲたちはそのことばをどこに運んでいくと思う?」「さっきの出口じゃないの?」「違う。あそこは話すとき専用の出口だ」 「えーっ、だったらわかりっこないよ。この部屋のルール、めちゃくちゃなんだもん
なおまる
@naomaru
自分の思いを書く。文章にする。このとき、泡のように不確かだった『ことばにならない思い』は、かたちを持った『考え』に変わる。
なおまる
@naomaru
「そうだ。あそこで見たことばは、その場かぎりでえてしまう泡のことばだ。思ったことを、思ったままに口にして、パチンとはじけて消えていく。そういう種類の、伝えることが目的のことばだ」
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