なおまる
@naomaru
「ああ、この子たちはただのクラゲじゃないよ。コトバクラゲって言うんだ」
「そうだ。おじさんの頭のなかにも、タコジローくんの頭のなかにも、たくさんの『ことばにならない思い』が渦巻いている。コトバミマンの泡としてね。しかもその泡は、つまり思いは、放っておくとどんどん増えていく。頭のなかがまっしろに濁って、なにも見えなくなるくらいに増えていく。だからこうやって、コトバクラゲたちに片づけてもらうんだ
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なおまる
@naomaru
「そうさ。タコジローくんはさっき、おじさんに自分のことを話してくれたよね?」
「うん」
「あのとき、タコジローくんの頭のなかでは、コトバクラゲたちがせっせと泡を運び出してくれていたんだ。タコジローくんの思いを、『ことば』という荷物に変えてね。おかげで頭の濁りが、すこしクリアになった。タコジローくんがスッキリしたのは、ちょっとだけ『ぐるぐる』が晴れたおかげだったのさ」
中略
実際、ことばにならないぼくの気持ちを言い表すのに「ぐるぐる」は、とてもぴったりな気がしたのだ。
「でも、いまの話がほんとだとして、あのコトバクラゲたちはどこに泡を運んでるの?」「よし、おじさんを背中に乗せてくれるかい?一緒にコトバクラゲを追いかけていっ
てみよう」
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なおまる
@naomaru
たしかにおしゃべりは、聞いてくれる相手がいて、はじめて成立するものだ。自分の話を聞いてくれる友だちがいる。それはすばらしいことだよね。でも、残念なことにぼくらは、いつもそういう相手に恵まれているわけじゃない。おじさんだってそうだよ。
自分の思っていることをぜんぶ話せる親友なんて、なかなかいないもの
なおまる
@naomaru
自分の思いをことばにする。そのことばを聞いて、なるほど自分はこう思っていたのかと納得する。自分の発したことばで、自分を知る。
だからこそ、実のあるおしゃべりはスリリングでおもしろい
なおまる
@naomaru
ただし、自分との対話がいちばん深まるのは、文章を書くときだ」
「どうして?」
「さっき、コトバクラゲたちがたくさんの泡を運んでいくのを見たよね?」
「うん」
「じゃあ、ぼくたちが自分の思いを文章にするとき、コトバクラゲたちはそのことばをどこに運んでいくと思う?」「さっきの出口じゃないの?」「違う。あそこは話すとき専用の出口だ」
「えーっ、だったらわかりっこないよ。この部屋のルール、めちゃくちゃなんだもん
なおまる
@naomaru
「そうだ。あそこで見たことばは、その場かぎりでえてしまう泡のことばだ。思ったことを、思ったままに口にして、パチンとはじけて消えていく。そういう種類の、伝えることが目的のことばだ」