
ジクロロ
@jirowcrew
2026年7月22日
思考をみがく禅入門
山田史生
ただ生きるのではなく、よく生きることが大切だ、とソクラテスはいう。趙州もまだそう考えているような気がする。
よく生きることの「よく」の意味は、みずから身をもってふるまうこと、そのこと自体のうちにみいだされる。よく生きようと欲することによって、はじめてよく生きることができる。ほうっておいてもよく生きられるわけじゃない。
(p.30)
「生きる」に「よく」という形容詞がつくだけで意識がはたらく。「ただ生きる」の方が難しいのではないかとも思える。
ただ、「よく」の意味は、人により時代により場所により変容するからこそ、「よく生きる」もまた難しい。
「あらゆる文体は形容詞の部分から古くなると謂われている。つまり形容詞は肉体なのである。青春なのである」
(『禁色』 三島由紀夫)
肉体はいつも逃走する。そしていつかは死ぬ。
形容詞の有無に限らず。
つまり「生きる」ことは難しい。
禅とはそんな当たり前のことを問いに付すことから始まる問答ではないかとあらためて考え直す。
そして禅は哲学みたく考えすぎない。
そんな問いを叩きつけることそのものが「生きる」と言わんばかりに。
