
霧
@yoruto
2026年7月22日

詩的私的ジャック
森博嗣
読み終わった
借りてきた
あらすじ
那古野市内の大学施設で女子大生が立て続けに殺害された。犯行現場はすべて密室。そのうえ、被害者の肌には意味不明の傷痕が残されていた。捜査線上に上がったのはN大学工学部助教授、犀川創平が担任する学生だった。彼の作る曲の歌詞と事件が奇妙に類似していたのだ。犯人はなぜ傷痕を残し、密室に異様に拘るのか?理系女子大生、西之園萌絵が論理的思考で謎に迫る。
本文p224より、抜粋。
「人が亡くなると悲しくなるのはどうしてですか?」萌絵は突然きいた。
「そうだね……」犀川は少し驚いたが、ひと呼吸おいて考えながら答えた。「一般論を言うつもりはないが……。悲しいという感情が、そもそもパーソナリティの喪失に対して象徴される概念だからだろう、きっと」
「パーソナリティの喪失?」
「そうだ。他人でも自分自身でも当てはまる」犀川が言った。
「失われることが何故悲しいんですか?」
「何かが欠ければ、健康でなくなる。つまり、苦しくなるからだろう」
「そう……、そういえば……」萌絵がコーヒーを飲みながら納得する。「殺人者は、他人のパーソナリティを消失させる…」
「自分のパーソナリティのためにね」犀川も、美味しいコーヒーを飲む。
