
梔子
@asago_404
2026年7月24日
うたかたモザイク
一穂ミチ
読み終わった
色んなジャンルの話がつまった短編集。
どの話も短いのに濃い。ページ数を見てサクッと読もうと軽い気持ちで手に取ったら時間かかってしまった。
何処かしんみりした気持ちになる話が多かったものの、以前トークショーに参加した時に別の機会で書いた短編を集めて一冊になることが多いというようなことを話してらしたし、特に共通のテーマ性は見られなかった。
ので、好き・お気に入り・印象に残った話の感想を書いていく。
『人魚』
一世一代のプロポーズに返ってきたのは、自分は人魚だという突拍子もない告白。そして知る彼女の過去と〝人魚〟の意味。
自分のことで、知っててほしいこと、知ってほしくないけど言わなきゃいけないこともあれば、隠さなきゃいけないこともある。そしてパートナーのことで知りたいこと、知りたくないこともある。
双方どちらの視点でもあることで、何を打ち明けて何を隠すか、もし言うならどのタイミングか、失敗してもお互いがそれに一生向き合うことが出来る相手とするのが結婚なんだろうな。
『永遠のアイ』
来るはずのない人から届いたメッセージ。正体はスマホをターゲットにしたウイルスによるなりすまし。けれど主人公は......。
こういう時代が来ているんだと思うと怖いけれど、主人公の場合仕方ないとか思ってしまうのもどうなんだ、私。
うるっとくるけど、すごく怖かった。
タイトルつけるのが上手いって言われてた理由がよく分かった。
『レモンの目』
束縛の激しい彼氏に悩まされる日々の唯一の癒しは、ベランダに訪れる黒猫ちゃん。
いや怖っ!!この短さだからこそ...という感じ。
例の一言呼んだ瞬間音が消える感覚があって、ホラーをあまり読まないのもあるかもしれないけれど、文章だけで現実の空気感を変えられるなんて経験ほとんどなかったので落差をつけるのが本当に上手なんだなぁと。
『BL』
天才を育成するプロジェクトの適合者として国中から孤児や知能の高い子どもが集められた施設で出会ったふたりの男の子の話。
こんなストレートなタイトルつける方じゃないのはわかっていたのでBL=ボーイズラブじゃなくて別の言葉の略だろうと最初からわかっていたけれど…読んでみるといいBLだ...そういう事かとしんみり。
『たまねぎちゃん』
2ページと短すぎてあらすじは書けない。一穂さんの比喩が好きで、これも上手い例えだなと。
『神さまはそない優しない』
死んだあと猫になって奥さんの元に戻った男性の話。同じ境遇の猫曰く、一度だけ人間の言葉で話せるというが……。
終始関西弁でテンポが良く、ツッコミもボケも面白くて笑っていたのだけど、めっちゃ泣かしに来るやん!
人を挟んだ未練って本当に残るだろうな。当たり前と思わずに後悔ないように伝えなきゃね。
『透子』
おじいちゃんのお使いで訪れる本屋さん。そこの店主は何故か私をいつも睨みつけている。ひょんなことから店主と話すようになり、友人に教えてもらった本を教えることになるが……。
明かされる主人公のこと、複雑だなぁ。地元の島で聞いた話でなんだかとてもしんどかった。
『かがみの孤城』が出てきてびっくり。トークショーでも新刊激推ししてたし、辻村さんのファンなのかな笑
