浸る
@rattatatatat
2026年7月25日

苦節十年記/旅籠の思い出
つげ義春
読了
つげ義春の著作から旅のエッセイ、自伝的エッセイ、夢日記、イラストをまとめたもの。
このなかでつげ義春の弟、つげ忠男について書かれた文章のなかで触れられている血液銀行について書かれていた箇所が興味深かった。
「ここに描かれている血液銀行は、近頃の“愛の献血”とはほど遠い下町の中小企業である。人間の血を買って又どこかに売りつける、銀行とは名ばかりの、吸血鬼のようなボロ工場だ。そこへ血を売りにくる餓鬼の群れ。売る方も買う方も、いわば同じレベルだ。(中略)
一回の売血は牛乳ビン一本強である。それ以上の売血は禁止されていたが、一回四百円という安さだったため、一日に二回抜く(売血する)者はざらにいた。貧血で倒れる者もいた。銀行は量の確保のため違反を承知で採血した。」
このあとも血液銀行の話が続くのだがめちゃめちゃ面白い。ちなみにつげ義春もたびたび売血に行っていたそうだ。