サブレとポッポの往復書簡 "ナラタージュ" 2024年9月12日

ナラタージュ
ナラタージュ
島本理生
映画化もされましたが、やはりラストシーンの展開は原作に倣って製作して欲しかったなって、そのくらい原作の最後の展開はリアルで、生々しく、だからこそ改変されたのかもしれないけど… とはいえ、映画も良作でした。上白石萌歌さんが唄う同名の主題歌も、心に染み入る良い歌です。 基本的には主人公の泉と、彼氏になる小野くんの関係性にスポットが向いているけれど、私がこの作品で強く印象に残ったのは、柚子ちゃんと新堂くんの心の信頼の強さでした。 物語の裏で、柚子ちゃんは、それこそ目を背けたくなるようなおぞましい災難に巻き込まれてしまいます。事件後もそのことを誰にも話せず、一人で抱えこむことしかできなかった柚子ちゃんは、それでも自分の身近に居てくれた新堂くんの人間性を信じて、手紙という形で自分の身に降りかかった事実をありのまま伝える道を選びます。だけど、それは柚子ちゃん自身の未来の可能性と時間と引き換えに… 胸が張り裂けそうな思いって、こういう感覚なんだなって思って、読みながらただただ、悲しかった。でも、だからこそこうして読み終えてして何年経っても、当時の読了感は色褪せないんだろうな、とも思うのです。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved