夕灯
@yuuhi
2026年7月26日

ひと夏の経験値
秋口ぎぐる
読み終わった
再読
読了 26.07.30
夏休み・ボーイミーツガール・TRPG!
冒険まみれの異色の青春ラノベ、毎年夏休み時期に読むのが楽しみで読んでます。
電車で読む文庫本を鞄に入れて登校し、本屋に寄って帰る、スマホのない牧歌的な時代背景が懐かしい。
+
オタクのぼくらの元に天使が舞い降りた、この話にはそんな表現がぴったりだと思う。
主人公たちはオタクで、自分達が世間的にはカッコ悪いことをわかっているようでいてわかっていなくて、とにかく浪漫に賭けている。
そんな彼らだって、現実に夢を見たりしないわけじゃない。
異世界に行って活躍したり、途方もないチャンスに恵まれてヒーローになったり、そんな大それたことじゃなくっていい。
TRPGの冒険という、日常の範疇にある非日常をせいぜい楽しんでいるただのぼくらのまま、少しぐらい夢のゆとりがあってもいいじゃないかと。
オタクは日頃ずっと目を背けている、きらきらした理想をひそかに持っている。
ちょっと女の子と縁ができるくらい、その女の子がぼくらの好きなものに興味を示してくれるぐらい、そしてぼくらとの思い出に思い入れを持ってくれるぐらい、それっくらいのささやかな夢なら叶ってくれてもいいじゃないか。
(だが、普通ならそんなもん叶うことはない)。
そういうオタクの夢物語に斜に構えながらも、全力で叩きつけてくるのがこの本だ。
オタクの情熱を貫くのは世間的にはかっこ悪いことだ。だが、当のオタクたちにしてみればこれがとてもかっこよくて憧れること、なのに世間ではダサいんだということも本人たちは普通にわかっていたりする。
難しいのだ。
だから誰かが歩み寄ってはくれないかなって、いつもこっそり願っている。まかり間違って、自分の道が正しいことだということにならないかなって。
全部ぜーんぶわかってる。
この本は、そういう私たちのための本なのです。
