
いちのべ
@ichinobe3
2026年7月26日
グレタ・ニンプ
綿矢りさ
読み始めた
ずーっと気になってた本、表題作一気読みだった!最高!
(序盤に『八つ墓村』の薄っすらネタバレがある)(読了後でよかった)
> 「落ち着いてられるか!もっかい言ってやる、国のために、子どもなんか産めるか!子ども一人産んだり育てたりするのってすごく大変だし人生左右するじゃん、私なんか妊娠の段階から大変だった。私働いてないけど働いてる人が仕事と両立して育児もするなんてほとんど二十四時間曲芸皿回し隠し芸大会だろうが。それなのに少子化どうしょ?このままだと少子化で日本まぢやばいって感じだけど、どしたらいっかなぁ?みたいなことをチラチラチラチラこっち見ながら常にニュースで報じられたら、産める世代の人間からしたらすごいプレッシャーなんだよ!」(p131)
> 「クソッ、クソッ、バカにして、バカにして!青春むだにするほど勉強したのに、働き盛りの繁殖期には全部中断して、産め産めって!そりゃねえだろ!クソッ!」(p231)
由依の言葉の端々から滲む……いや怒涛のテンションでぶちまけられる怒りは、正当なものだ。作中でそのような社会構造が、簡単に変わるわけではないのもリアルだ。そのうえ、今や(特に働く人間の多い東京では)社会的少数派である妊婦や子連れの女性に絡む輩までいる。地獄すぎる。
そんな地獄すぎる状況の中を、紫のバズカット(アート入り)や尖った服でサバイブしていく由依の姿は、逞しくてカッコイイ。
序盤は八つ墓村ばりのハチマキ妊娠検査薬スタイルや、巨大フォントに笑っていたものの、だんだん「由依、めっちゃイカすじゃん!」と心の底から応援し、ワクワクしたし、それになかなか付いていけない俊貴の線の細さにヤキモキした。なのでお宮参りの場面は嬉しかった〜!作中で詳細は語られないけれど、由依は実家では安心して過ごすことのできない子どもだったんだろうなと感じられたから、俊貴という相棒と家庭を築くことが出来てよかったなと。
> 「わきまえません、それがthis is me」(p135)
あとこの言葉がすごく響いたので、何かに刻印か刺繍する時に使いたい。
