
いちのべ
@ichinobe3
2026年7月26日

縄紋
真梨幸子
読み終わった
作者と松原タニシ氏の対談を読んで興味を持った小説。
https://www.gentosha.jp/article/16133/
すこぶる奇妙で知的好奇心をくすぐる内容だった。
殺人犯の書いた奇妙な「預言書」校正・校閲を進める中で浮かび上がる、様々な歴史の欠片と登場人物たちの推理・推測・あるいは妄想。主要な語り手の男性2人による、繰り広げられる知識マウントめいた蘊蓄合戦。
何が謎なのか、何が解かれようとしているのかよくわからないまま、怒涛の情報を浴びながら夢中で読み進め、「預言書」である『縄紋黙示録』の最後の一行に驚き、その後の展開で、冒頭に掲げられた新聞記事はなるほど、本作におけるフーダニットだったのかと理解する。そして終章で「預言書」は覆されるかと思いきや、真相は不明のまま物語は終わっていく。
これはミステリなのか、しかし他に当てはまるジャンルも思いつかない。いい意味で「変な小説」だった。
基本的に蘊蓄多めの小説は苦手なのだが、流石の真梨幸子作品でスイスイ読めた。主要な語り手のふたりが当初は微笑ましい凸凹バディのようでもあったが、双方別ベクトルのヤバい男と判り、ああいうオチになるのも厭で良い。
