roiban "阿片窟の死" 2025年3月29日

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2025年3月29日
阿片窟の死
阿片窟の死
アビール・ムカジー,
田村義進
面白かった。英領インドが舞台のミステリー、ウィンダム&バネルジーシリーズ第3弾。1921/12/21、主人公であるイギリス人の警部、サム・ウィンダムが入り浸る阿片窟へのガサ入れから逃げる中、中国人の死体を見つけるところから幕開け。折しもカルカッタはガンディーの指揮により独立運動が勢い付いており、死体の謎に悩まされつつも、相棒のインド人、バネルジーとともに運動の指導者たちとの交渉を任じられる。植民地支配をめぐるジレンマを抱えながら職務を遂行する2人。1921年の荒れるカルカッタへのタイムトラベル観光を楽しみつつ、事件の真相に近づいてゆく。/シリーズは原著で5巻まで出ているようだが翻訳は2022年に出たこれが今のところ最後。続きをどう読もうか……。
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このシリーズ、主人公サムの気の抜けた感じとユーモアが全体的に軽やかさを与えていて良いんだよな。アヘン中毒者でバレれば辞職必至なことを分かりつつ足繁くアヘン窟に通う。カルカッタの気候に悩まされつつも、順応できていない同国人を小馬鹿にする。真実の探究に強いこだわりは見せないが市民の安全に義務感はあるらしい。思いを寄せる女性に格好を付けようとしつつ仕事に私情を持ち込むことに自己嫌悪する。インド人に生まれながら支配者側につく相棒のバネルジーの置かれた複雑な立場を理解しているが踏み込んでいこうとはしない。至って職務に忠実だし調査の方法も堅実で読み心地が良いのだが、微かに脱力していてその具合がちょうど良い。
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