
あんどん書房
@andn
2026年7月25日

過去の出来事から自身の未来に悲観的でちょっと擦れてる主人公・誠。高校に入学してすぐ、才色兼備の少女・煌から「ずっと会いたかった」と言われ——。
冒頭からもうラノベ展開全開なのだが、そもそもなぜ本書を読んだかというと課題図書だからである。長岡花火の。
毎年8月2日と3日に開催される長岡まつり大花火大会。ここ3年ほどは配信を毎回鑑賞し、2年前には実際現地にも行ったお気に入り花火大会である。そして本書はそんな長岡花火がモチーフとして取り込まれた作品なのだ。
長岡花火の重要なテーマには復興と祈りがある。空襲やソビエト連行で亡くなった方への追悼として挙げられる「白菊」や新潟中越地震の復興花火「フェニックス」。本書は特にその戦争被害への祈りというところを描いており、端的に言うとタイムスリップものである。似たようなところで言うと「時かけ」とか「あの花」(めんまじゃない方)などがあるが、さすがに主人公が過去に行ってしまうと後者とあまりにも一致してしまうため、戦時中のとある人物が現代にタイムスリップという設定になっている。
個人的には中盤でヒロインの煌の存在がほぼ消えてしまうあたりがちょっと残念ではあるのだが(設定上仕方ないとは言え、最終的にくっつくのであればもう少し関係性の掘り下げが欲しかった。一巻完結のラノベにそれを求めるのも難しいのかもだけど)、長岡花火というローカルなテーマの作品が映画化して全国上映されるのはすごいな〜と思った。もし市民だったら純粋に嬉しいだろう。
本文書体:リュウミン